新報国マテリアル（5542）

銘柄名が非常にカッコ良い鋳鋼品メーカー。『低熱膨張合金』に強みがあり、これは熱膨張しない金属。クルマ部品メーカーや機械メーカーにとっては、歩留まり向上につながりやすいだろう。精密な部品が求められる半導体製造装置メーカーも垂涎ものと見る。薄板・厚板にも使用できるため、用途は幅広い。現時点でのバリュエーションはPER7.54倍、PBR0.75倍、EV/EBITDA倍率4.05倍と割安に感じられる。もし仮に同社を買収したとすれば、理論的におよそ4年で元を取れる計算になる。海外機関投資家勢からの買いに期待だ。

11/9には3Q決算を発表。営業利益は4.57億円と前年同期比17％減。主力製品のFPD（フラットパネルディスプレイ）向け製造装置の販売は好調だった模様。ただ、半導体製造装置関連向けは未だ顧客が在庫消化の段階であることからふるわなかったようだ。今後はデータセンター向けの高性能半導体の需要が急増していると見ており、（ChatGPTが何度も応答不能になるという筆者の実体験もあることだし……）4Q以降は主力のFPD及び半導体製造装置向け製品の販売が堅調及び復調するものと予想する。

そうなると、来期は増益シナリオが期待でき、株価上昇を招く期待感も。通期の上方修正はこれらのシナリオを織り込んでいる可能性が高いと見る。流動性の低さが懸念点だが、決算発表や好材料発生を機に資金が流入すれば、指を咥えて監視していた海外投資家が買い上がってくるかもしれない。足元の株価は11/7安値1069円から戻りつつあるものの上値は重い様子。大量資金流入によりタガが外れば6/21高値1400円を目指しても不思議ではないだろう。