TOYO TIRE（5105）

タイヤメーカー。対面営業の再開や、レジャー、新車供給量の増加でタイヤの需要も増加が見込まれる。同社は特にSUV向けに注力しており、新車装着用タイヤに占めるSUV比率は20年には54%（16年：45% 20年目標：50%）。アジアクロスカントリーラリーでは同社製品装着車が19年まで5連覇しており、こういったオフロードで培った技術がSUVにも活きたのであろう。そして、25年度を期末とする中期経営計画2021では、海外投資家勢が好みやすいROEは12％以上、配当性向30％以上という目標。株高を意識した野心的な計画に注目だ。

今期の経常利益は過去最高である568.14億円（2015年12月期）を超え、700億円の見通し。2020年12月期から大規模な投資を行っていることが、投資CFの水準からうかがえるため、今後は再び成長フェーズに乗る目論みだろう。11月発表の3Q決算における経常利益は既に644.89億円。同時に業績予想の上方修正を行い、上記の見通しを示している。加えて配当予想も上方修正しており、足元のCFの状況を鑑みると設備投資に頑張り過ぎている印象を受けるが、それほど投資の果実が実る自信があるのだろう。

株価は25日移動平均線を支持線とした上昇トレンド。上掲の材料発生後、急騰したが、反動安により再び張り付いていた支持線付近まで調整。決算プレイ組や短期・投機筋の売りが同線で今後耐えることができれば、この先は中長期的な成長を期待したマネー流入が株価を下支えしてくれよう。目先は同線からのリバウンドが期待できるものの、シコリ玉が多いと考える2600円付近での売りには気を付けておこう。200円程度の値幅を取ったらひとまず利食いをオススメする。