アイネス（9742）

自治体DXに強みを持つ独立系SI（システムインテグレーター）。総合行政情報システム『WebRings』は多くの自治体に採用されており、これは国の策定する標準仕様に完全準拠。政府のクラウド上で作動するソフトウェアであり、未だ帳票を紙でやり取りしている地方自治体のDXは同ソフトで改善されるであろう。これは岸田首相が唱える「デジタル田園都市構想」にも通ずるものがある。また最近では旧村上ファンド系「エフィッシモ キャピタル マネージメント」が買い増しを行っている点も注目。

今期の営業利益は減益の見通し。中間決算における同利益は8.56億円と前期の15.25億円からほぼ半減。福祉システム開発案件の減少などが減収の要因であり、また、自治体の新規システム投資や法改正案件が想定以上に減少見込みとなったことに加え、新たなコスト等の発生が見込まれることが業績予想下方修正の主因だそうだ。ただ、金融や産業は引き続き底堅く、システム保守により極端な業績不安は乏しいだろう。物言う株主として知られるエフィッシモが更に同社株を買い増すようだと、経営提言を行ってくる可能性も想定される。

それが株高の材料になるという期待感はあるが、足元の株価は値動きが激しい。12/4には高値である1776円を付けたものの、翌営業日には大陰線となり1609円まで売られている足元は200円弱の値幅で動いているため、短期の値ザヤ取りに集中できるデイトレーダー向きの銘柄なのかもしれない。執筆時点では5日移動平均線が抵抗線として意識されているうえ、12/5の大陰線からの戻り売りが上値を抑えてくるだろう。同陰線を吸収した後に仕込むスタンスも一案と考える。