リケンNPR（6209）

昨年10/2に東証プライム市場へ上場した直近IPO銘柄。ピストンリング大手である理化学研究所系のリケン社と、クルマや船舶用ピストンに強みのあるトヨタ系の日本ピストンリングとの経営統合によって設立された持ち株会社。両社のシェアを併せたことで、国内ではピストンリング最大手となる。前者の発明技術及び後者の製造技術のシナジー（相乗効果）により、EV（電気自動車）シフトの潮流にも対応できるような新たな部品メーカーへの成長に期待したい。

上場後の11/14に発表された中間決算における経常利益は前期比30.9％増で着地。為替差益の影響が大きいと思われる。今後は、2023年10月1日からの業績が連結化された日本ピストンリング社の利益が中長期的に乗っかってくることになるため、来期の3Q（10月～）から本来の実力が見えてこよう。営業CFは前期の-6.88億円から今期は65.68億円と大幅に上昇。日本ピストンリング社との会計期間が一致した際には一層高水準なCF創出力を見せ、資本政策が実施される余地が広がる。

株価は上場時高値の1924円をクリアし、上値追いの状況。昨年12/26には出来高が急増しており、利益確定売りがいつ生じるか怖いところではあるため、買うのならばこまめに逆の売り指値を活用しつつ含み益を確定していくスタンスがベターだろう。潤沢な資金を元手に今後もM＆Aを実施していくことが予想され、材料性に優れている銘柄と言える一方で短期・投機筋マネーのさらなる流入で取り組みリスクが高くなりそうだ。改めて、こまめな利食いを心がけたい。