正直なところ、個人的にはそうは思いません。
中途採用に積極的な企業の多くは、「会社を進化させる為の攻撃的な人材採用」では無く、むしろ、「生き残りや存続をかけた補完的な人材採用」であろうと推察される為です。
「前向き」というより、「やむを得ず」という印象の方がやや強いような気もします。

日経新聞の報道によりますと、3メガバンクの2024年度の採用計画が出揃い、
三菱UFJ銀行は中途で23年度比7割増となる中途600人を採用し、中途採用の数が新卒400人を初めて上回る見通しだそうです。

日経新聞は、デジタル化や富裕層向けビジネスの重みが増すなか、新卒一括採用で様々な部署を経験させて人材を育成してきた従来の手法が転機を迎えている、と指摘しています。
広い分野で外部で知見を得た即戦力の人材を採用しなければ、事業強化で異業種も含めた競争に遅れをとりかねない危機感がある、とも指摘しています。
24年度の3メガ銀の中途採用は1200人に達する見通しで、中途、新卒を合算した3メガ銀の採用数は2650人となり、中途比率は45%と5割に迫る勢い、との事です。

あくまでも個人的な意見ではありますが、富裕層向けビジネスを拡大しようというスタンスは、利潤の追求ですから充分に「攻撃的」なのですが、その為の人材を育成するよりも、手っ取り早く「経験者」を優遇採用してしまうというのは、
「戦略的」ではなく「戦術的」思考であるように思います。

DXにフィンテックにデジタル社会に精通する人材を採用するのは、根本的には人材不足の「補完」に過ぎず、金融機関に求められる厳格なガバナンス精神が、果たしてデジタル系人材にも理解・遵守されるうるのか、という問題も生じる可能性があるように思う次第です。

会員様各位は、全く異なる業種への「転職」のご経験をお持ちでしょうか？
私は、あすなろに辿り着くまでの間、10回以上もの転職を繰り返してきましたが、
業種・職種的には全て、株式投資に関わる仕事であって、「異業種」への転職経験はありません。
さすがに、右も左もわからない世界に飛び込むのは、自身にとっても不安ですし、
それ以上に採用する企業側も、全く畑の違う人材を、積極的に中途採用する事に合理的な根拠を見い出せない風潮が強かったようにも思います。

今のところ私は、あすなろでの務めを、今後も可能な限り長期間にわたって全うするつもりでおりますが、仮に次の転職を考えなくてはいけない局面が訪れるのであれば、「やむを得ず」の転職では無く、全く新しいフィールドに飛び込むような、「前向き」な転職こそをしてみたいなぁ、などと、ぼんやり考えておる次第です。

労働市場に、働き方に、変化が見え始めている事は、長い目で見れば日本の経済にとって大きな変革と言えましょう。

ただ、求職者も採用する企業側も、一過性の、短期的な「戦術」的思考に基づく転職を助長するのでは無く、長期的な「戦略」的思考に基づいて、異業種への転職をも含む、労働市場の流動性こそを意識する風潮を、日本に根付かせる方向にこそ進んでいただきたい、と存じます。



執筆：木村泰章

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆ポラリスHD（3010）
　昨年来の高値を更新！
　低位株物色の追い風を受けている印象です。
　1月11日のご紹介時からの高値騰落率67.07％。

◆セキュア（4264）
　2000円台を上伸中！
　1月19日のご紹介時からの高値騰落率54.0％。

◆曙ブレーキ（7238）
　本日も一時昨年来の高値を更新。
　昨年11月21日のご紹介時からの高値騰落率46.61％。

◆三井松島HD（1518）
　大幅高で一時昨年来の高値を更新。
　2月9日のご紹介時からの高値騰落率23.16%。

◆日本ケミコン（6997）
　いよいよ昨年5月の下落時に開けた窓の窓埋めに挑む局面です。
　1月15日のご紹介時からの高値騰落率20.27％。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪あすなろダイヤモンドセレクト銘柄≫
逆襲！
　成長株投資の醍醐味を味わっていただけたものと存じます。

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◆≪あすなろニューダイヤモンド銘柄≫
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