KNT-CTホールディングス（9726）

近鉄日本ツーリスト（KNT）、クラブツーリズム（CT）を軸に持つ旅行会社。前者は法人に強く、後者は個人に強く、お互いに弱点も補完し合う理想的と言えるHD。8月には、近鉄百貨店の完全子会社であるKサポートを、同社の完全子会社であるツーリストエキスパーツ（TEX）に吸収合併させ、同事項によって組成される新会社の株式の一部を同社親会社（近鉄GHD)に譲渡することでTEXは連結子会社から除外された。TEXの親会社は近鉄GHDとなり近鉄Gのスケールメリットを利用したTEX社の事業拡大が期待できる。人材派遣等を行うTEX社の間接費用が同社から削減されることで、粗利率の向上が狙えるうえ、同社を含む近鉄G全体のボトムアップに繋がりそうだ。

当然、今後も持分法適用関連会社として一部の株式を保有するため利益成長の恩恵を享受することができるだろう。直近の1Q決算における経常利益は19億2000万円と前の期比で26.5％の減益となった。前期が前々期の約2.43倍の実績となったための反動と思われる。なお海外旅行の取扱も増加させており、今後ドル円が円高に傾けば円高メリットを享受することができそうだ。1Qは特にイベント（スポーツ観戦等）に伴う海外旅行の案件が増えた様子。このようなパッケージの「企画力」をこれからも向上させることで、海外良好事業の拡大に繋がるであろう。AIのXENOによると、1四半期後（2Q）は5000万円の経常増益予測。主に新興国為替の影響を考慮している様子。

このように旅行関連銘柄のファンダメンタルズやテクニカルは外為の動向に依存しやすい。同社株とドル円チャートを指数化してみると、ショック相場時の変動を除くと8/15以降は円高と株高にやや相関性が見られた。足元は依然としてショック相場の爪痕は残るものの、日柄調整によって需給が引き締まってくれば、再び「円高メリット銘柄」として注目される日が来るだろう。東証の信用買い残は約9万株とシコリ玉が多いため、戻り待ちの売りには注意しておこう。まずは7/26高値の1444円までの全値戻しが達成できるほどのモメンタムがあるかどうか注視しておきたい。