東京計器（7721）

「計測」・「認識」・「制御」に関する精密機器の総合メーカー。船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、防衛・通信機器事業で事業ポートフォリオは上手くバランスがとれているようだ。（2024年3月末の売上高）注目したいのが防衛。同市場向けの航空機電子機器や艦艇用航法装置などを省庁へ調達。南シナ海付近では緊張感が高まっており、領海内を上手く巡航できる機器や、領空においてもスクランブル発信において敵機を標準に捉える事ができるほどの精密性を持つ電子機器の需要は今後更に高まることが予想される。軍事・防衛関連の銘柄として注目だ。

今期通期の連結業績予想は堅調。経常利益は前期比26.4％の増益が見込まれるとのことである。地政学的リスクの上昇を見据えて、防衛・通信機器事業の売上増が期待できよう。前期も同事業においては、艦艇搭載機器や海上保安庁向けWEB通報システムの新規納入があったようで、調達の実績を積めば更に調達の要望が省庁から届くことが見込まれる。人工知能（AI）のXENOによると、総合評価はB+とベター。「防衛関係賃金額増加」のような社会トレンドが業績に好影響を与える模様。

株価は7/16に付けた高値4155円からピークアウト。緩やかな右肩上がり形状の200日線付近が支持線として機能しており、同線付近で足元では反発。心理的な節目である3000円を意識した売買や、その後、上に控える75・100日線などの抵抗線の存在を考慮すると高値ブレイクするには相当なモメンタム（騰勢）が必要となろう。ただ、地政学的リスクに関するニュースが報じられれば、短期的に上昇することも想定される。実際に南シナ海付近では、中国・台湾・フィリピンなどの国々による応酬が繰り広げられており、新材料が発生するのも時間の問題だろう。