日本発条（5991）

ニッパツ。クルマの部品メーカーであり、「ばね」に関連する製品を開発・製造する。強みは「金属加工」。クルマでは「コイルばね」「スタビライザ」「バルブスプリング」など、衝撃を吸収することを目的とした製品が多い。仮にエンジン車からEV（電気自動車）へ潮流が変化したとしても、大きな設計変更の必要もないとみられ、長期的に安定的な業績の向上が期待できるだろう。もちろんクルマだけではなく、今注目を集めている「データセンター」や「半導体製造装置」向けの製品も手掛けており買い安心感も。

8/7発表の1Q決算における経常利益は192億600万円。対会社予想進捗率は34.9％と進捗は良好とみられる。通期の同益は550億円の見通しで、コンセンサス予想は520億円。市場予想と比較すると会社側の業績予想は強気に映るものの、昨今の国内におけるクルマへの設備投資や挽回生産状況、またデータセンター投資の状況を鑑みると、盤石なシナリオに見える。AIのXENOによる通期同益予想値は約330億円とかなり保守的な見通しだ。

予想根拠は今までの有報データのみと考えられるため、世間の時流などを考慮するとやはり会社側の値に違和感は覚えない。株価はV字を描いて強いリバウンド。足元では5月ぶりの株価水準まで回復。ボリンジャーバンドでは+2～3σでのバンドウォークが見られ、やや過熱感が台頭してきたように思える。利益確定売りに備えて、押し目を待つスタンスが無難かつ妥当かもしれない。バリュエーション面は、執筆時点のPERは8倍台と割高には感じられないため、テクニカル上の懸念点はあるにせよ、株価の伸びしろには期待がかかる。