日経VIと米国VIX指数の逆相関⇒あっ、そうか!
えっ?
世界がトランプ発言に神経質になっているハズなのに、当の米国は「適温相場」なの?
はい、そうなんです。
一方で、日経VIは、20ポイント台の前半でもみ合い状況となっているものの、なかなか20ポイントを下回って来ません。
本日の終値は18.72となりましたが、一過性な値ブレと見ます。
その背景は、12月の半ばの日銀金融政策決定会合で、利上げが行われる可能性があるから、というのが市場関係者の見方です。
日銀が利上げすると、円高に振れるだろうから、輸出企業を中心に、株式市場にとっては「リスクイベント」として意識される、という理論でありましょう。
しかしながら、この見解は個人的に、理にかなっていそうで、やや読みが浅いように思います。
その理由として、米国VIX指数の低下傾向こそを挙げたいと思います。
つまり、トランプ氏の各種「つぶやき」を、米国以外の投資家は概ね「リスク」と見ている一方で、米国の投資家(もしくは米国市場自体)は、「リスク」とは見なおしておらず、むしろ、「適温相場」と捉えているワケです。
もうちょっと言い方を換えると、『円よりもドルの方が遥かに強い』という超根本的な背景を、日本市場(もしくは日本の投資家)は、キチンと認識していないように思います。
わかりやすくまとめると、こんな感じでしょうか。
・トランプ氏の提唱する「MAGA=Make America Great Again」に沿った各種政策により、ドル高・米国株高の基調は変わらない。
・つまり、ドル高ゆえの円安基調が継続する。
・ゆえに、日銀が利上げを行っても、ドルに代わって円が買われる基調にはつながらない。
・結局、一時的な円高方向へのブレはあっても、円高局面に移行する事は想定し難い。
・円高が進まないのだから、日本株式市場がドル円の為替水準から悪影響を受ける可能性は低い。
いかがでしょう?
今現在は、円高圧力がかかっているように、日本の市場は「錯覚」しているからこそ、日経VIの値もなかなか20ポイントを下回ってきませんし、さらに、その日経VIを見て、それを「利上げリスク」が反映されていると、再度「錯覚」しているだけであるように思えてなりません。
では、米国が利下げを急がず(12月の利下げを見送って)、日銀が12月の利上げを見送ったら、日本の市場はどうなるのか?
簡単ですね。
今まで「錯覚」していた事が、ホントに錯覚だった事を知るワケですから、その「反省」から、日本株は大きく上昇する可能性があるワケです。
あすなろが従前から想定している、「年末の日経平均42000円、ドル円の為替水準150円」は、「ド真ん中」の予想じゃなかろうかと自負しておる次第です。
執筆:木村泰章
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