テイツー（7610）

「古本市場」や「トレカパーク」などの店舗を全国に広げる、中古品を主力とした小売企業である。書籍やゲーム、トレーディングカードを中心に幅広い商品を扱い、オンラインショップ「ふるいちオンライン」と実店舗を一体化するOMO（オンラインとオフラインの融合）戦略を推進している。さらに、自動でトレーディングカードを査定する機械「TAYS」や、自動販売機型のIoT機器「AIICO」の導入によって効率よく買取を進めている点も強みと見る。今後も中古品市場の拡大を背景に、店舗のデジタル化や運営効率化を進めることで、中長期的な成長が期待できよう。

2025年2月期の売上高は364億77百万円とわずかな増収となった一方、営業利益9億11百万円、経常利益9億19百万円と減益になった。これは主に中古トレカ市場で一時的に利益が縮んだことや、新たな店舗開店、オンライン販売の強化、デジタル化への投資費用が増加したことが影響したと見られる。一方、2026年2月期は売上高400億円、営業利益・経常利益ともに約11億円、当期純利益7億円と大きく改善する見通しである。特にオンライン販売の黒字化や査定機械などBtoB向け事業の拡大によって収益力の向上が図られ、業績回復の道筋が立つと期待できよう。

6月10日の株価は143円付近を推移しており、出来高は約99万株であった。テクニカル面ではRSIという株価の勢いを見る指標が50以下であり、落ち着いた水準にある。直近では一時的に過熱感があったが、調整により適正な水準まで戻ったと判断できる。また、株価のトレンドを示す100日や200日の移動平均線を見ると、長期的には株価が底堅く推移し、中期的な上昇傾向が続いている。今後は株価が上下する中でも移動平均線がサポートラインとなるが、株価が低位のため値ブレには要注意。