7月1日(火）に、6月の日銀短観が公表されます。
6月調査の調査票の発送日は5月28日、回収基準日は6月12日で、通常どおり、回収率はおよそ7割程度と見込まれます。

内容は、正直なところ、国内の景況感の悪さを実感するような、厳しめの数値となってしまいそうです。

あすなろが独自に集計した、国内の証券会社や経済研究所等の事前予測によると、大企業・製造業の6月の業況判断DIは、3月調査比で若干の低下を見込む機関が多く、さらに、3カ月先の9月の予想も、更なる低下を見込む予想が多くなっています。
大企業・非製造業の6月の業況判断DIは、3月調査比でほぼ横ばいが見込まれていますが、こちらも先行きはやや低下を見込む傾向がコンセンサスと言えそうです。

あすなろは、6月の大企業・製造業の業況判断DIを、3月比で2ポイント低下の+10ポイント、先行き9月の同DIを小幅低下の+8ポイントと見ます。
日米交渉に明確な進展がみられない中にあって、米関税政策の不確実性の高まりを受け、製造業の業況判断を圧迫するものと考え、この動きは3カ月先まで続くものと想定します。

一方で、あすなろは、6月の大企業・非製造業の業況判断DIは、3月比横ばいの+35ポイント、先行き9月の同DIを小幅低下の+33ポイントと予測します。
非製造業の先行きの業況判断は若干低下するも高水準を維持し、大きな変調が示される事は無いものと考えます。

米国関税政策による不確実性はくすぶりつづけ、特に自動車産業を中心とした慎重姿勢は、部品メーカー等のサプライチェーンにも浸透・連鎖しており、この傾向が底入れ反転するタイミングは、各企業の中間決算発表が相次ぐ、今年の10月～11月になるものとの印象です。

本日の全体フォローでもお伝え申し上げましたとおり、米国によるイランの核施設に対する直接攻撃は、イランの報復による原油価格の高騰が一番の懸念事項であった事から、この度の中東情勢緊迫化の「第1幕」は原油価格の下落を伴って終焉し、ゆえに、米国株式市場は巻き戻し的な「リスクオン」に進むと見て宜しいでしょう。

日本の株式市場は、米国市場に追従する可能性が強いものと考えますが、一方で、来週は6月の日銀短観が足を引っ張って、日経平均は再度38000円前後でもみ合いの展開となってしまう可能性も否定できないように思います。

引き続き、こまめに利益確定を行い、ポートフォリオは「広く薄く整えておく」事を目指してまいりましょう。



執筆：木村泰章

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