あすなろの新サービス「あすなろプライム会員」について
あすなろコンプライアンス部の市丸でございます。
本年も、コンプライアンスの観点から随時コラムを執筆させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年末よりスタートした新サービス
「あすなろプライム会員」 について、現在DM等でご案内を行っております。その中で、次のような表現をご覧になった方も多いかと思います。
【日経平均株価の動向にマッチした「大型株」】
この表現を見て、
「アドバンテスト、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンといった、日経平均への影響が大きい値嵩株を勧めるのではないか。そのような資金はないし、仮にあっても、値嵩株のタイミングを狙ったトレードはしたくない」
と感じられた会員様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その点について過度にご心配いただく必要はありません。
まず申し上げたいのは、あすなろではすべての広告表現について、事前にコンプライアンス部による審査を行っており、誤解を招くおそれのある不適切な表現は使用できない体制となっているという点です。
今回の表現も、その審査を経たうえで配信されています。
確かに日経平均株価は、上記のような値嵩株の影響を受けやすい指数です。しかし、メディア等の報道には、やや誤解を招きやすい表現が見受けられます。
たとえば、日経平均が1,000円上昇した際に、
「そのうち600円は特定の4銘柄の上昇によるもの」
といった説明がなされることがあります。
一見すると、これらの銘柄が日経平均と強く連動し、高い説明力を持っているかのように受け取られがちですが、これはあくまで**『1,000円という値上がり幅に対して、どれだけ寄与したか』**を示しているにすぎません。
統計的な意味での「日経平均に対する感応度」や「説明力」とは、異なる概念です。
そこで今回は、業務でも利用しているQUICK社のデータを用い、
(直近から過去180日間) について、以下の項目を調べてみました。
________________________________________
β値(日経平均に対する感応度)
β値とは、「日経平均が動いたときに、その銘柄がどれくらい大きく動きやすいか」 を表す指標です。
たとえば、β値が2であれば、日経平均が10%動いたとき、その銘柄は約20%動きやすい、という意味になります。
________________________________________
決定係数(日経平均でどの程度説明できるか)
決定係数は、その銘柄の値動きが、どの程度日経平均で説明できるかを示す指標で、0から1までの値をとります。たとえば、決定係数が0.5であれば、当該銘柄の総変動のうち0.5は日経平均で説明でき、0.5は他の要因で動いているということを意味しています。
決定係数が高いほど、「日経平均と同じ方向に、比較的安定して動いている銘柄」と言えます。
以下は、それぞれの指標について上位10銘柄を抽出したものです。
【β値 上位10銘柄】
Code Name β値 決定係数
6857/T アドバンテ 1.92 0.53
9984/T ソフトバンクG1.89 0.54
5803/T フジクラ1.88 0.52
6506/T 安川電 1.8 0.56
4062/T イビデン 1.7 0.43
6526/T ソシオネクスト 1.66 0.41
6146/T ディスコ 1.66 0.47
5802/T 住友電 1.62 0.55
5801/T 古河電 1.59 0.37
6501/T 日 立 1.55 0.67
これを見ると、アドバンテストおよびソフトバンクグループがβ値の上位に位置している一方で、ファーストリテイリングや東京エレクトロンは上位に含まれていません。
すなわち、メディアで「日経平均への影響が大きい」と言われる値嵩株とは別に、日経平均に対する感応度(β値)が高い銘柄群が、日経平均採用銘柄の中に存在することが分かります。
さらに、日経平均で説明できる割合、すなわち決定係数で見てみると、様相は大きく変わります。上記の値嵩株4銘柄はいずれも上位には含まれておらず、一方で証券株が上位に位置しています。
これは、証券株がマーケット全体の動向に強く依拠するセクターであることを、直感的にも示していると言えるでしょう。
決定係数を降順に並べた上位10銘柄は以下のとおりです。
【決定係数 上位10銘柄】
Code Name β値 決定係数
6501/T 日 立 1.55 0.67
8604/T 野村HD1.13 0.65
6762/T TDK 1.43 0.64
6988/T 日東電 1.19 0.64
6503/T 三菱電 1.09 0.59
8601/T 大和証G0.84 0.59
6301/T コマツ 1 0.58
7751/T キヤノン0.85 0.58
6954/T ファナック 1.35 0.57
8015/T 豊通商 0.96 0.57
一般に「連動性」という言葉が使われる際には、β値が用いられることが多いのですが(これは誤りではありません)、β値はあくまで感応度、すなわち反応の大きさを示す指標です。
一方、決定係数は**「どれだけ一緒に動いているか」**を示す指標であり、日経平均と同じ方向に動く割合という意味では、β値以上に重視すべき場合があります。
数学的に言えば、決定係数が大きいほどバラツキが小さく、比較的安定して指数と連動していることを意味します。
指数の値幅への貢献度が、しばしば「指数との連動性」として語られる背景には、日経平均がTOPIXなどの時価加重型指数と異なり、単純平均を原型とする指数であるという構造的な特徴があります。
日経平均という指数そのものの問題点については別稿で説明いたしますが、情報として無視できない指数であることも事実です。
会員様には、このような癖のある指数としての日経平均を正しく理解し、使いこなしていただきたいと考えております。
以上のとおり、
•「指数の値幅にどれだけ貢献したか」という話と
•「指数とどれだけ連動しているか」という話は
概念として明確に異なります。
あすなろプライム会員は、日経平均の値嵩株を推奨するサービスではなく、
「日経平均株価の動向にマッチした大型株」をご提案するサービスであり、その表現はコンプライアンス上、何ら問題がないものであることをご理解いただければ幸いです。
本年も、あすなろ投資顧問をどうぞよろしくお願いいたします。
以上
あすなろコンプライアンス部
日本証券アナリスト協会認定アナリスト 市丸和之
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