大化け株を見つける方法
大化け株を見つける方法
今回は年末特別コラムということで、
私が銘柄を分析し大化け株を探る手法を特別にお伝えいたします。
パラレルクロスロジック=PCRと名付けたこの方法で、
是非、全てを数字に分解して論理を超越した分析をしてみてください。
「なんとなく上がりそうだから飛び付いた」
「毎回急騰株に飛び付いて失敗している」
「有名人などが紹介した銘柄に乗って大損した」
このような方にオススメです。
何度かこのコラムや推奨銘柄レポート等では分析の過程を記述しておりますが、
改めてこの機会にもご覧いただければと思っています。
さて少し話は変わりますが
乗用車1台の重量を5分以内に全て仮定で計算しなさい
という課題が出された時、あなた様はどうしますか?
「ボーイング747の重量を今すぐ求めて。メモだけ使ってOK」
「東京都内の電柱は何本あるか想像で答えて」
「いまトイレを世界で利用しているのは何人?」
これを更に応用して
「一度に使用する紙のコストを計算して、費用を最も下げる手法を考えなさい」
「工場一台で消費される電力を求め、コストパフォーマンスを最大化する手法を3つ提案しなさい」
こういったケース問題が戦略コンサルの面接でいきなり出される事が、
私が就活している時によく経験しました。
ちなみに某メガバンクや地銀でも、これほどではないですが、似たような問題を出された事があり、驚いたことを今でも覚えています。
さて上記に戻りますが車1台の重量とか、上記のようなものを全て仮定を積み重ねておおまかに定量化する方法を「フェルミ推定」といいます。
車1台なら、以下を全て計算して合算するのが基本かと思います
(まず、それがプリウスのような代表車と仮定する、と前提しておく)
・座席の重量
(フロント2脚は25kg×2,リアシートは30kgと仮定し合計80kg)
・ダッシュボード
(おおまかに樹脂と仮定しハンドル等一抱えで40kg)
・内回り内装など
(ドア内側の樹脂、天井床等ボデーを除く樹脂30kg)
以上、内装は合計で150kg
ボデー
・鉄フレーム全体で400kgと仮定
・ドア4枚バックドア1枚、それぞれ25kg合わせて125kg
・ガラス部材は40kg
合計565kg
動力
・エンジンは直列4気筒で110kgと仮定
・ハイブリットモーター90kg
・インバータ15kg
合計260kg
足回り
・タイヤ1本20kgと仮定し4本80kg
・サスペンションや緩衝材などで80kg
合計160kg
その他
ガソリン満タンで40kg
ハーネス30kg
合わせて70kg
以上を合計して約1205kg
全て仮定で計算してみました、戦略コンサルの面接会場ではメモ用紙とペンだけなら用意してもらえます。
公式だと総量はおよそ1380kgらしいので、おおまかには当たっていますね。
これを株式投資なら市場規模等に変えて計算してみるのです。
これがフェルミ推定です。
次にベイズの定理をご説明します。これは大まかに条件付き確率のことで、事象の発生する確率を仮定できます。
またこれはプログラミングでも応用することがよくありました。スクリーニングの条件をつくるときにベイズの定理を応用してpythonというプログラミング言語を使用してスクリーニングの仕組みを作成します。
もちろん株式の上昇確率、カタリストの発生確率にも使用できます。
これは数学の確率の分野に入る為、解説しきれなくなりますので簡単に説明します。
さきほどは車の重量を計算したため、次は車の事故が発生する確率を計算してみましょう。リスク管理に応用できます。
広い意味では、前々回のコラムで、相場退場の確率を求めたのもベイズの定理の一部と言えます。
さてそれでは、まず以下に事象をまとめます。
A:事故が発生する確率
B:降雨している(Aの条件)
P(A|B):雨が降っている時事故が起きる確率
P(A):ふつうの天候の時に事故が起きる確率
P(B):雨が降る確率
P(B|A):事故が発生した事例の中で、雨が降っていた時の割合、いわゆる尤度(ゆうど)
P(A)の計算(超ざっくり)
ある車が10年に1回事故すると仮定すると1/(365*10)=0.00027≒0.03%
P(B)の計算
10日に1度くらい雨が降るとすれば10%
尤度P(B|A)
雨の日は視界が悪くスリップもしやすいと思われる
雨の頻度は10%だが雨天時の事故は2倍の20%と仮定
以上を踏まえると・・・
P(A|B)=0.2*0.0003/0.1=0.0006
事故が起きる確率は0.06%
リスクコンサル等では恐らくP(B)の条件(オプション)を相当程度仮定して計算を繰り返します。前々回のコラムでは条件等を沢山増やしましたね。
損保でもこういった計算をアクチュアリーでは行っていると思われます。
株式投資でも、「雨の日」は
・トレード頻度:売買高等が増えやすい
・建設は休みとなるため行程日がふえコストも増えやすいため売られやすい
・太陽光関連も日光を吸収しないため売られやすい(⇒原発等は買われやすい)
以上などを何オプションも用意して計算すればそれなりの確率、
「なんとなく売られそうだな~」って感覚を数的につかむことができます。
これがベイズの定理です。
そして最後にアカウンティングを中心としたファンダメンタルズ計算となります。
私の場合は基本的にバランスシートのリスク資産の割合から、その銘柄の下落リスクをおおまかに見積もったりしています。これはベイズの定理のBを増やすときにも使いますね。
これら3つを合わせて上がりそうな確率、上がりそうなテーマ、ひいては上がりそうな銘柄を数学で合わせて、またそれぞれ平行して計算するため、
パラレルクロスロジックという名前になります。
今回は非常に簡易的なモデルとしましたが、いつもは実際のデータも用いて、実際に近い確率を求めます。車の重量をピッタリあてることは、想像上のデータで仮定して計算すると難しいですが、重要なのはプロセスではないでしょうか。
そこまで仮定して算出しているというロジックこそ、
実際のケース問題では重視されやすいのです。
これからも皆様が納得してシナリオを信じていただけるよう邁進します。
どうぞよろしくお願いいたします。
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