元外資系金融マンのこぼれ話 「4度目の市場暴落は訪れるのか」
今週もお取り組みお疲れ様です。
まず、一言。
米国市場の強さは目を見張るものがありますね。
毎朝「加藤の相場展望」の中で海外市場の情勢もまとめておりますが、
米大統領選通過後の相場は非常に強い!というのも過言ではないでしょう。
ただし、相場を見極める上では本質を見逃すことは命取りになります。
繰り返し書いていますが、現在の世界市場の台風の目となっているのは
株式市場ではなく、米国の債券市場です。
直近で日本株の強含みに寄与している為替市場のドル高も、米国株高の要因となっているのも、
将来のトランプ次期政権による政策運営で生じるインフレ率上昇を見越した動きの一環と言えます。
株式相場を抜きにすると、これまでの金融緩和とデフレが経済政策の中心だったものが逆回転することになります。つまりは、金融引き締めに舵を切り始めるということでもあります。
それを裏付けるのが、米国の利上げ動向になってくるのでしょう。
今週末は米雇用統計やイタリアの国民投票など今後の世界経済に影響を及ぼしそうな市場イベントがあります。
今年は年初の大暴落に始まり、イギリスの国民投票や米国大統領選挙など市場を大きく揺るがしたイベントが多かったですが、結果的には懸念されていたような世界経済の下振れには至りませんでした。
今回のイタリア国民投票も憲法改正が自国内の問題にとどまるようであれば、極端なリスクオフにはつながらないと思われます。
ただし、そういう前提の下でも一つ懸念が残るのは、一時的にイタリアの銀行不安などから金融システムの破綻につながるのではないかと思惑が広がることでしょう。
かつてのブレグジットも大統領選挙でトランプ候補が当選確実となった時も市場は極端なリスクオフに傾いて日経平均が1000円を超える下げに見舞われました。
イタリアの国民投票がどういう結果に転ぶのかは神のみぞ知るところではありますが、手仕舞いして現金化しておいた分は下がったところは絶好の買い場になるかもしれません。
アメリカの投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは銀行株はあまり好まないと発言したことがありますが、その保有ポジションにはしっかり金融株が組み込まれています。
普段は金融株には手を出すことのないバフェットですが、相場がクラッシュした時は必ず金融株を買い漁っています。
参考までに足元で上昇が顕著にみられる金融株は狙い場かもしれませんね。
三菱UFJ(8306)、野村HD(8604)は国際基準を満たす代表株ですので、米国金融規制緩和の連想につながりやすく、下がったらチャンスですね。
もし、何事もなく無事イベント通過となればバフェットは定石どおり高収益企業に投資を行うことでしょう。今回はそんなバフェットにちなんで高ROE企業をスクリーニングしておきます。
安川情報システム(2354) ROE:133%
スタートトゥデイ(3092) ROE:87%
トラストHD(3286) ROE:65%
Fコーポレーション(1430) ROE:58%
エスプール(2471) ROE:58%
燦キャピタルM(2134) ROE:58%
ディップ(2379) ROE:57%
インベスターズクラウド(1435) ROE:57%
中小型株ばかりが並んでいますが、この中からでも循環物色で大きく上昇する銘柄が現れるかもしれませんね。
すぐに結果を求める方は上昇銘柄についていくのが近道かもしれません。
ワールドHD(2429) ROE:35%
【 相 場 の 格 言 】
『買いの迷いは見送り、売りの迷いは即刻売り』
それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。
執筆:加藤あきら
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