規制の枠組み変更は大変革の予兆か
最近の市場の物色動向は銀行株が堅調になってきたことに加えて、値がさ株が強い。
日経平均の指数寄与度が高いので、ソフトバンク(9984)やファーストリテイリング(9983)はもちろん、東京エレクトロン(8035)やTDK(6762)も単元が大きくて最近何かと話題性があるので主力株の中心として見ておきたいですね。
そんな中で、最近話題の政府が成長戦略の一環として「レギュラトリー・サンドボックス」という仕組みを導入しようとしている件について。
訳すと「規制の砂場」と言われ、企業が砂場で遊ぶように自由に新サービスをお試ししてみる仕組みです。
かつての金融担当大臣であった竹中平蔵氏も先月提出した資料の中で、英国・シンガポール等の諸外国でのフィンテック分野で「レギュラトリー・サンドボックス」の創設が行われていることを例示しています。
さらには、自動運転、ドローン、人工知能などでも導入が議論されています。
いまも地域を限定して規制を緩める特区という仕組みがあります。
ただし、特区ではどの規制を緩和するかを国があらかじめ決める必要があります。ものすごいスピードで技術が進歩するフィンテックなどの新分野では、個別に規制を選ぶ方式では対応が追いつかず、海外の競合相手に対して後手に回る懸念が出ているようです。
そこで、いったん規制を凍結して自由にサービスを試し、あとで規制のあり方を考える仕組みが必要になったのです。
そうした原因の一つに日本のお役所体質が硬直化してしまっていることがります。省庁をはじめとするお役所は前例のないことをなかなか認められない傾向があります。サンドボックスはそれを解決する手段として非常に前向きな仕組みなのです。
最近でも、4月に自動運転車の公道実験が開始されるなど、それに近い取り組みが実際に動き出していますが、この仕組みが本格稼働するようになるとさまざまな分野で開発スピードが加速し、世界との開発競争にも伍していける可能性も出てくるかと思います。
とくに日本の中小企業やベンチャー企業の中にも優れた技術やサービスを持ちながら、それに対する投資額では海外と圧倒的な差がでています。向こうはグーグルやアップルなど超大企業が未上場企業でも積極的に資金提供し、事業提携などからM&Aに踏み切ること例も日常茶飯事です。
日本では肩書や官庁のお墨付きなどが重要視されたり、権威や規制などの枠組みに囚われて自由な研究開発が遅れをとっている側面があることもあるのではないでしょうか。
この「レギュラトリー・サンドボックス」制度の創設がきっかけとなって台頭してくる新テーマもあるかと思います。
企業のニュースだけでなく、市場環境を一変させる可能性のある大枠のニュースも上手に収集して投資アイディアに役立てていきたいですね。
【 相 場 の 格 言 】
『危ない橋も一度は渡れ』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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