株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-09-16 09:00:00

加藤あきらの投資戦略室

いまこそ投資家の本分と着眼点

お休み中のところ失礼いたします。

株式市場と日々向き合っている方でなくとも、最近は北朝鮮の地政学リスク動向や日本の憲法改正に向けた報道などをテレビで目にする機会が増えていることと思います。

今や日本と北朝鮮だけの二国間の問題ではなく、以前の六か国協議のような米国、韓国、中国、ロシアを加えた関係国だけの問題でもなく、国際的な問題として大きく発展してしまいました。

今年の2月に金正男暗殺事件があってから早7か月が経過しますが、ちょうど拉致被害者救済にからんで軍需関連銘柄を調べていたあの頃を思い返すとずいぶん状況が変わってきたなと思います。

当時は安倍政権の支持基盤も盤石といった状況でしたし、米国ではトランプ大統領旋風が吹き荒れて、市場はトランプ・ラリーに沸いましたね。

現在はすっかり日米の政治はリスクとして意識されるようになり、期待感も剥げ落ちて、それこそ憲法改正どころではないようです。

予定されていた憲法改正議論の秋の臨時国会提出は先送りされる模様です。

となると、政府・与党が狙うのは「森友問題」「加計問題」で下落した支持率回復のために経済対策寄りの議論を活発化させることでしょう。

おそらく長時間労働を是正する働き方改革関連法案やカジノ実施法案の審議が焦点になるとみられており、与党の信頼回復に軸足が置かれることと思います。

特に第3次改造内閣が発足した際にも安倍首相自らの発言で「働き方改革はいよいよ実行の段階に移る。必要な法案の成立を目指す」と強調しています。

同一労働同一賃金を実現するための労働者派遣法、パートタイム労働法、労働契約法の3法の改正と、長時間労働是正に向けた残業上限規制を強化する労働基準法の改正が柱となるそうです。

そこで、やはり注目は人材関連の銘柄をチェックだ!カジノ関連の銘柄をチェックだ!となるところですが、角度を変えて企業を見ていくのもおもしろいのではないかと思います。

世界中で「働きがい」に関する調査・分析を行っている専門機関Great Place to Workは毎年「FORTUNE」誌を通じて「働きがいのある会社」ランキングを発表しています。

それによると、そもそも従業員からみた「働きがいのある会社」の定義は

『従業員が会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社』

とされており、

マネジメント(会社)からみた「働きがいのある会社」の定義は

『「信頼」に満ちた環境で、ひとつのチームや家族のように働きながら、個人の能力を最大に発揮して、組織目標を達成できる職場』

となっています。

ひとくちに働き方改革といっても、まずはこのような定義づけがないと何を本当に改革すべきかが曖昧なまま法整備が進められることになってしまいます。

では、参考までにこのGreat Place to Workの調査したランキングを見てみると、

1位は非上場のワークスアプリケーションズが受賞しており、上場企業の中で最上位だったのはディスコ(6146)で4位でした。

これは従業員規模が1000人以上の規模を対象としたもので、100〜999人規模の中でみるとトップに輝いたVOYAGE GROUP(3688)、さらに小規模の25〜99人規模ではアトラエ(6194)が最上位となっています。

外資系も多数ランクインしていますし、未来の上場企業が隠れていると思いますので一度目を通してみると視野が広がるのではないでしょうか。

ちなみに「働きがいのある会社」女性ランキングもあるみたいです。

そこで気になった企業で、投資としておもしろそうなのはソースネクスト(4344)、さらにランキング上位のサイボウズ(4776)です。

最近ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が環境(E:Environment)・社会(S:Social)・ガバナンス(G:Governance)の3要素から成る選別でESG指数を選定し、同指数に連動したパッシブ運用を開始したことも話題となっています。

その中で社会(S:Social)として選定されたのが「MSCI 日本株女性活躍指数(愛称は WIN)」で、この指数自体は時価総額上位500銘柄を対象としていますが、女性が働きやすい会社に対する投資は今後大化けしてくる可能性を秘めているのかもしれません。

市場は未だにけん引役が不在で、今新たな投資の切り口を探していることは間違いないです。

ですから、一旦地政学リスクでリセットされた相場の行方は、けん引役になる投資先を見出した投資家が勝つことになるのは当然です。

そうなるためには「働き方改革」や「カジノ」といった中で手垢のついた銘柄や使い古されたテーマ株ではなく、新たな銘柄を探し当てる必要がありそうです。

9/15に四季報《秋》版が発刊されておりますので、この3連休に銘柄探しの旅に出てみるのも一興ではないでしょうか。

最後に、9/18は「敬老の日」です。

これまでの日本の礎を築いてきたご年配の方々には感謝と尊敬の念を抱きつつ、日本株復活と繁栄のために、投資を活発化させるために活躍していただけるようお願いしましょう。


【 相 場 の 格 言 】
『順徳の智の源は逆らう勇、その源は待つ仁にあり』


それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆:加藤あきら

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