〜直近の相場から大相場を振り返る〜
今月に入ってからというもの、大型株が華麗なパフォーマンスで相場の主役を演じる中、日経平均は驚異の14連騰で10月のここまでの営業日すべてをプラスで終えたことになります。
どうやら中小型株は脇に追いやられ、日の目を見たのは材料株の一部にとどまっています。
と言っても、買いが長続きすること無く、翌日には何かと売りに押されて値を消してしまっています。
雨後のタケノコのように小粒な材料株が日替わりでモグラ叩きしているように顔を出しますが、中小型株を引っ張る強さは感じられません。
ペッパーフードSや串カツ田中に代わるような銘柄が欲しいところですよね。
そう考えると、この秋で主役交代、中小型市場をリードする銘柄探しに関心が向かいます。
いま絶好調の主力株の動きを一覧すると、やはり業績が良くて割安感があるものは特に上がっている印象がありますので、来週来るのは割安感のある中型株でしょうか。
東急建設(1720)などは業績良好ながらPERは6倍台ですし、小型に目を向けると上昇し過ぎに見えるモリ工業(5464)もPER8倍台だったりします。
つまり、まだまだこれから上がる銘柄は多く残っているという事実に着目してほしいところです。
リチウムイオン電池や量子コンピュータもテーマ株として見せ場を作りました。
革新的な技術をもてはやすお祭りムードもワクワク感がありますが、実社会で存在感を示すのはまだ先の話です。
こういった一時的な熱狂を人はバブルと呼びたいのかもしれません。
しかし、来週からは選挙も終わり、企業の決算発表に目が向くことになるでしょうから、業績良好な銘柄を監視しておかなくてはなりません。
現実の数字と向き合うのが決算相場です。ただ、相場は常にウラとオモテがあることを忘れてはなりません。
優良株が動く裏で、相場の盛り上がりに紛れて暗躍する仕手株があります。
まさに6月のリミックスポイント(3825)がそれで、その次は夏場に話題になった五洋インテックス(7519)も5月〜6月の本決算時期からひっそり動いてきているフシがありました。
何か怪しい雰囲気のある銘柄の匂いをかぎ分けるのはポイントコラムの『億の鐘と相場の杖』がオススメですので、この機会に一度覗いてみていただければと思います。
投資の上級者にはもってこいの内容かと思いますが、株取引のツールを十分に使いこなせる方がチャレンジしてください。
基本的には、米国市場にならって企業決算が株価の上値を押し上げる。
そんな当たり前の大局的な流れの中で、出遅れならびに材料内包の株を中心に銘柄を選定していくのがよいでしょう。
そこで大事になってくるのがその切り口です。
数ある上場企業の中から、将来性のある成長株を見つけ出し、株価の割安感・割高感、需給面の状況、そして企業業績も・・・。
全部を満たす企業を探すとなると、すでに有望株は買われて株価が高い位置にありますし、出遅れ株もここにきて水準訂正でだいぶ戻してきています。
やはり相場の世界は日経平均が高かろうが、安かろうが関係なく、いつなんどきでも、今より一日先、一週間先、一か月先、一年先、十年先とそれぞれの時間軸で上がるのか、下がるのかを予想しなければなりません。
あくまでも、そこが出発点となり、株価がこれくらいで利益がいくら、損失がいくらという概念を一旦捨てないと、純粋に買い手がいる企業なのかを見極めることができません。
どうしても株価をみるとき、チャートを見るときに本人の主観、希望的観測が入り交じって分析ができないからです。
そして、誰しもが知る情報で売買するのには分が悪いのが個人投資家の立場です。
問い合わせの多い銘柄にブラックロックが大株主に浮上した石川製作所や豊和工業がありますが、先月時点で米国のトマホークミサイルが北朝鮮を標的にしていたとの報道がありましたね。
ブラックロックの投資行動は明らかに米国の軍事行動を知り得て地政学リスクのヘッジ手段として買ったものと思われます。
そう考えると、今の日本株も米国株もそして世界の株高もある思惑の下に歴史的な上昇劇に導かれているということもあるのかもしれません。
最近、ソフトバンクが昨年に続いて2つ目の10兆円ファンド設立・・・さらに3つ目、4つ目の構想もすでに浮上しているとのこと。
昔、日本が経験したバブル相場は思いがけず起こり得たものかもしれませんが、それ以降のITバブルや資源バブルは意図的に作られたとの説もあります。
過剰な金融緩和がもたらす相場の帰結は、私たちが考えているよりも壮大なテーマの中でで株式市場が動いていく道なのかもしれません。
【 相 場 の 格 言 】
『大上放れ、大下放れは相場につけ』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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