良好なQ3決算発表続く 〜バイオ医薬品:ギリアド・サイエンシズ、バイオジェン
25日発表の9月住宅販売件数は堅調で成長の拡大が確認できた。27日には7〜9月期のGDP成長率速報値が発表予定。ハリケーン被害が警戒されていたものの、復興需要から2%台半ばが煮込まれている。金利が低位にあって経済拡大が続き、新興国も含めた世界的な株高が続いている。
債券市場は今週に入り、FRB人事の如何に拘わらず12月の利上げを射程に入れ始め、利回りが上昇。10年債利回りは5ヵ月ぶりに4.3%を付けて推移している。米金利上昇を受けてドル円は114円を回復。引き続き日経平均にとって追い風となっている。
あすなろではFRB議長の後任人事を巡る短期的な調整に注意しつつもひとまず良好なQ3決算発表をもとに株高が続くことを予想している。今週はバイオ関連銘柄の決算発表が続く。今回はその内の大型銘柄2つを紹介したい。
1. ギリアド・サイエンシズ(GILD)[NASDAQ]
ギリアド・サイエンシズはカリフォルニアに本拠を置くバイオ医薬品大手。主要製品は抗HIV薬の「ツルバダ」、「アトリプラ」、B型肝炎治療薬「ヘプセラ」、「ビリアード」、侵襲性真菌感染症治療薬「アンビゾーム」、肺動脈高血圧症治療薬「レタイリス」、サイトメガロウイルス性網膜炎治療薬「ビスタイド」、慢性狭心症治療薬「ラネクサ」など。
2. バイオジェン(BIIB)[NASDAQ]
バイオジェンはバイオ医薬品企業。神経疾患治療の医薬品の開発・製造・販売に従事。再発性多発性硬化症(MS)治療薬、クローン病治療薬、非ホジキンリンパ腫と関節リウマチ治療薬などが主要製品。また、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患のほか、血友病、リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫の治療薬も扱う。本社はマサチューセッツ州ケンブリッジ。
<米国株豆知識その17>
バイオ医薬品企業
バイオ医薬品は化学合成によって作られる低分子医薬品と違い、バイオテクノロジーを使ってタンパク質を作り出すことで遺伝子組み換え、細胞増殖を可能にし、アルツハイマー、関節リューマチといった難病への治療薬としての開発が期待されている。世界の医薬品市場に占めるバイオ医薬品の割合は2020年には3割になるといわれている。高度な生産技術と研究体制が要求されるため、企業間の事業提携、買収が茶飯事である。
今週はバイオジェン(BIIB)、アムジェン(AMGN)、ギリアド(GILD)、セルジーン(CELG)といった大型バイオ医薬品企業の決算発表が予定されている。バイオジェンは売上とEPSは事前市場予想を上回ったが主力薬品の売上不振から株価が下落するなど決算を受けた値動きは大きくなる傾向がある。ただし、材料を織り込んだあとは買い戻される場合が多い。
個々の銘柄リスクを取りたくない方にはバイオ銘柄に特化したETF(iShares Nasdaq IBB)もある。
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