VIXショック
昨晩の米国株。
寄付きこそ500ドル超の下落で始まったが、
終値では567ドル高と一転急反発。
高低差は1100ドル以上と変動幅が大きい。
米VIX(※)は一時50ポイント台に乗せる場面もあったが、
終値ベースでは20ポイント台まで低下した。
※ボラティリティ・インデックス、いわゆる恐怖指数
米国株が反発したことで、
本日の日本株は買い戻し優勢のスタートに。
昨日の下落の半値〜2/3程度戻しとなっている。
では、今回の急落相場の原因は何だったのか。
様々な要因が影響しており、
ひとつに限定することはできないが、
ボラティリティの上昇とする説が有力だ。
2017年は総じて「なぎ相場」が主流であった。
緩やかな金利上昇と景気拡大から、
ゴルディロックス(適温相場)等とよばれ、
安定的な株式上昇を続けていた。
その一方で、ボラティリティは低下の一途を辿り、
VIXのショート(売り)は極めて美味しい投資案件となっていたのだ。
ボラティリティをショートする上場商品はいくつかあり、
NASDAQに上場するXIVや
東証に上場するVIXベアETN(2049)等がそれにあたる。
※VIXベアETN(2049)は償還が決まっているので触らないように。
理論上はとんでもないインプライドボラティリティが付いたとしても、
長期投資覚悟で耐えれば戻ってくるはず・・。
だが、この手の商品には欠陥があり、
天井のないものをショートしているため、
ファンドの価値がマイナスになる場合等に備え、
ファンド価値の急落局面ではファンドが償還されるよう設定されてあった。
VIXベアETN(2049)では2/5時点で29400円の価格を付けていたが、
結果的には1144円で償還となり、1日で96%を失ったことになる。
先週末の米雇用統計と、
足元で金利の上昇が加速し始めたことを受け、
ゴルディロックスの終焉が垣間見えた。
その結果、これまでの投資戦略の方向転換を迫られ、
巻き戻しの動きが発生。
その巻き戻しの動きが、更なるボラティリティの上昇を招き、
負のスパイラルを加速させた。
これが今回の下落の要因のひとつと言えるだろう。
要はVIXショックとも言える出来事で、
投資に不慣れならば、まずは市場が落ち着くのを待つのも手だ。
今日のチャートチェックはここいら。
パーカー(9845)、ムサシ(7521)、 北野建設(1866)。
執筆 相場師 徹兜
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