中小型株の決算本格化と投資金の雪解け
ゴールデンウィーク明けの東京市場は指数は小動きながら、内容はしっかりとしています。
2月の市場暴落以降で極端に売り込まれてきた銘柄も、足元では底値をつけて切り返す動きが目立ってきております。
中には決算発表をうけて活発に物色資金が入る銘柄の裏で連騰を続けてきている銘柄も増えており、ゴールデンウィークをはさんで5連騰以上している銘柄が100銘柄を超えてきています。
動きが鈍い鈍いと言われているマザーズ市場でも、直近でバイオ株やゲーム株が軟調で足を引っ張る中、キャリア(6198)やアクトコール(6064)などが気を吐く動きを見せております。
JASDAQ市場も同様ではありますが、フジオフードS(2752)やシダックス(4837)のような底堅く上昇基調を辿っていく銘柄が多い印象で、実際に個人投資家にとっては事実上の主戦場となっているかと思います。
今年の初めには両市場が統合する話もささやかれておりましたが、日本取引所G(8697)がそれを否定した事実もあってぱったりと聞かなくなりました。
表面上ではそうですが、もしかすると水面下ではそれに向けた話し合いやシステム検証などがなされている可能性もありそうです。取引所の株価は上昇基調ですので、意外な投資先・監視先になってくるかもしれません。
仮にいま一度統合期待が高まってくるようであれば、バイオ株などに急に物色の矛先が向かう可能性も出てきそうです。
今週来週で中小型株の決算も一巡してきますので、決算で大きく上昇する株の利益確定だけでなく、これまで粘り腰できたシコリ株の見切り売りなども相次ぐと思われます。
新興市場の活気がイマイチなのも、単純に個人投資家の資金が滞留していることが要因とすれば、いずれにしても決算を通過することによって、投資資金は活発に動きやすくなるものと考えられます。
マザーズ指数を基準に市場の底入れを4/17付近に求めると、実は昨年と似た展開になっていることが分かりまして、主力株が高値をとってくるのが5月、中小型株はそこから多少遅れて6月に高値をとってくる可能性があります。
昨年と大きく異なるのは米国市場の長期金利が上昇してきている点ですが、タイムリミットを懸念するのはまだ先の話かと思われますし、あるいは金融経済に実体経済が追い付き、バブル相場に限らずとも再び史上最高値の株価上昇要因がもたらされることも十分に考えられます。
足元の動きだけで将来の方向性を決定づけるにはまだまだ判断材料が少ない状況ですので、今はしっかりと持ち株の整理と将来期待の有無を見極めていただく時期かと思われます。
良くも悪くも決算発表は投資判断に適したタイミングと言えますので、市場の売買高がある程度戻ってきたらポートフォリオを整理するのもよさそうです。
【 人 生 の 格 言 】
『 損が明らかな時には損切り、利益が見込める時には利喰わないのが鉄則だ。
誤った時にすべきことはただ1つ、改めることだ。 』
(空売りの名手 ジェシー・リバモア)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
キャリア(6198)
アクトコール(6064)
フジオフードS(2752)
シダックス(4837)
日本取引所G(8697)
執筆:加藤あきら
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