〜【加藤の緊急フォローその2】〜
昨晩の米国市場はNYダウが一時500ドル近い下落、相対的に堅調だったナスダックも値崩れして2%を超える下落となりました。
足元の米中摩擦激化を懸念したリスク回避の動きが加速し、米国市場のみならず中国、欧州、そして日本市場も大きく動揺しています。
そこに新たにトランプ米大統領の追加「対中制裁」検討で米ハイテク企業への投資制限に言及があったことに加えて、ムニューシン財務長官のツイートもこれに拍車をかける結果で米国市場の取引開始時間と同時に一斉に売りが広がったようです。
市場があまりにも過剰反応を示して地合いが悪化したことに対し、ナバロ米国家通商会議委員長が米CNBCにテレビ出演して火消しに回り、「投資制限の具体的な計画はない」と発言したことによりNYダウは下げ幅を300ドル近くまで縮めました。
これまでにも再三にわたって米国の通商政策において勝手気ままにツイートしてきたトランプ政権も、今回の市場動揺にはさすがに驚いて手を打ってきたと言えるドタバタ劇です。
トランプ政権の二枚舌外交を本気にしている市場関係者は少ないと思われますが、来週の7/6に控える米中協議を区切りとする投機筋の売り仕掛けが世界株安の要因とみるべきでしょう。
つまり、依然として米中摩擦の警戒感が燻る中、7月上旬に控えた米中摩擦に対する協議進展に期待し、地合い回復を待つ場面と言えるでしょう。
日本市場とくに中小型株は凄惨な売りに押されていますが、目先突っ込んだところは積極的に買い向かいたい場面でしょう。
ただし、その際にポジションの取り過ぎには注意が必要です。
昨日のコラムでも書いたとおり、信用取引に伴う追証発生件数が再び急増しているようです。
市場が買い手控えで薄商いのところに売りがぶつけられると必要以上に株価が売られ過ぎることになります。
本日から明日にかけて狙いたいのは需給が崩れていない銘柄で久しぶりに押し目をつくる株や目先売られ過ぎた株に的を絞るべきでしょう。
マザーズ指数の年初来安値更新は衝撃でしたが、1080ポイントを割り込んだのは6/20に続いて2度目です。
もう一段の売り崩しには警戒感が残りますが、ほぼ今年の安値圏にあることは変わらない事実です。
短期的な立ち回りを前提に、押し目狙いでいきましょう。
ポイントとして機関投資家が動く10時と14時過ぎ、あるいは中国市場の取引が開始する10時半ごろの市場動向に目を向けておきましょう。
【 人 生 の 格 言 】
『相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく』
(アメリカ著名投資家 ジョン・テンプルトン)
執筆:加藤あきら
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