相場の転換と弱気の虫
大幅安となった昨日に続いてまたしても中国の株安を嫌気した売りが相次ぐ展開となりました。
昨晩の米株高の流れから前場で買いが先行し、中国時間が始まると同時に売りに転じるという昨日と同じ動きです。
米国株は小幅ながら3日続伸となった一方で、中国株はこの2日間で大きく値下がりして明暗がくっきり分かれています。
過去のコラムを遡ると、中国市場が変調をきたしたのが6月中旬、この時にも緊急でフォローメールをお送りしましたが、日経平均が5月高値の23050円ブレイクを達成できなかった局面でした。
昨日今日で中国リスクがにわかに表面化したわけではありませんが、ドル高を背景にした新興国株安を誘発しましたので、市場はもう一段の下値を警戒しての動きだと思われます。
短期的な下げが大きいのはある程度の売り物を吸収できるだけの買いが入っていないということでもありますので、やはり6月中旬以降では様子見が継続しているとみてよいでしょう。
全体の投資マインドが冷え込む中、気を吐く銘柄もあり、島精機(6222)やハーモニック・ドライブ(6324)など昨年に大きく上昇して調整中だった銘柄に資金が流れ込んできています。
昨日も当コラムでは為替動向をふまえて外需株が買い戻される可能性に言及しましたが、徐々に現実味を帯びてきたような気がしています。
島精機はどうやらスタートトゥデイ(3092)の製品採用で急動意したようなのですが、くしくも本日の23時〜の「ワールドビジネスサテライト」で放映される予定となっています。お時間がある方はチェックしてみるとよいかもしれません。
また、機械セクターだけでなく似たような切り口で見ていく場合には、電気機器セクターの三社電機(6882)やガラス・土石セクターのMipox(5381)なども久しぶりに聞いたと思ってもらえるかもしれません。
小型株や新興国株は変動リスクが高い資産となりますので、値幅が出ます。現状のように逆回転している時は苦しいですが、その後のリバウンド余地は大きいと言えます。
通商問題を巡っての先行き不透明感や中国の景気減速への警戒感などは根強いですが、貿易関税の発動においてはすぐさま実効されるものでもありません。
解かりやすい例として、問題の本質は異なりますが2016年のブレグジットが懸念から決定に至る段階では下げましたが、実際に英国がEU離脱するまでには幾重にもプロセスが必要で、実際に経済への影響が出るまでには時間がかかります。
貿易戦争となれば市場が警戒するのも至極当然で、無理もないですが、実際のところ1年後にはトランプ政権の選挙対策の一環で、あの騒動はなんだったのか?という話になっているかもしれません。
本日の引けにかけては日経平均も前引けの水準まで強い戻りがみられていますので、弱気の虫を退治してリスクイベント後の展開にも期待しましょう。
【 人 生 の 格 言 】
『 自分が得意だと思っていることに溺れるな。
物事の「本質」を鋭く透察する心を持て。 』
(ピーター・ドラッカー)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日の紹介銘柄】
島精機製作所(6222)
ハーモニック・ドライブ(6324)
スタートトゥデイ(3092)
三社電機製作所(6882)
Mipox(5381)
執筆:加藤あきら
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