米中の経済指標は良好、悪化懸念の真偽を問う
昨晩の米国市場からこれまでの凪の相場と打って変わって、動きが様変わりした本日の東京市場。
日経平均も上値を21641円まで伸ばして年初来高値を更新しましたが、為替のドル円もすさまじい動きになりましたね。
つい一昨日までドル円は110.30円付近のところまでありましたので、そこから1.50円も急伸していることになります。
年初の104円台を買えた人はいないかもしれませんが、そこから見たら10円も利が乗っていることになります。
為替トレードの話は私よりも本日昼頃にリリースされている『あすなろ外株レポート』や為替のスペシャリスト“YEN蔵”さんが執筆する『YEN蔵(えんぞう)レポート』をお読みくださるとより動向が分かるかと思います。
それにしましても、昨年末にあれだけ米国経済や中国経済の悪化懸念が騒がれていたにもかかわらず、昨晩発表された米国の10-12月期GDPは市場予想+2.2%を上回って+2.6%成長でした。
ちなみに2018年通年での伸びは+3.1%でトランプ政権の目標である3%成長を上回ったことが確認されました。
米国経済の底堅さが確認されるやいなや、シカゴPMIなども予想の57.5に対して64.7でしたから製造業の景気も落ち込むどころかおよそ1年ぶり最高水準に達しています。
以前も書いているはずですが、米中貿易における米国の赤字は米国経済が堅調で消費が拡大している間は簡単に解消しないと思われます。
この話にいくと脱線してしまいますので戻しますが、米国経済が堅調ということで直近の米債市場で金利が急伸しているのが気にかかっています。
昨年2月のVIXショックや10月のなんとかショックもトリガーとなったのは米金利とされておりました。
急伸と言っても直近のところから見ればというだけの話で、3%に達してきたわけではありません。
また、現在の地合いの良さを演出しているのは米中貿易協議の進展期待だけでなく、米金融政策が緩和方向に向かっているという安心感が前提となっています。
よって、相場の転換点が意識されるのは、今月の下旬ごろの米FOMC近辺で「やっぱり米国経済堅調だから引き締めも検討します」みたいなことがやられると腰折れのリスクにつながってしまいます。
あるいは来週末のメジャーSQです。ただ、こちらも来週の相場かく乱要因となりやすいにせよ水準を大きく落とすことにはならないはずです。VIX指数は要監視です。
3点目のイギリスのEU離脱も「合意なき離脱」がどうのこうのと揉めていますが、今になって揉めるくらいなら2016年にあれだけ相場をかき乱すような選択しないでくれよと思いますね。
当時はあれのおかげでおいしい安値を拾うことのできた投資家も多かったと思いますが、その裏には泣く泣く損切りした投資家も存在していたことになります。
基本的に現在の相場は需給相場と前にも書いたとおり、米経済が好調と素直に買い上がってよいものかどうか疑念があると思います。
目先は重要視されていたイベントを消化して中国株も堅調、少なくとも全人代まで中国株が崩れることは考えにくいですから、中小型株を手掛けやすい相場はまだ続きそうです。
ただ、来週も本日のように為替がドル高進行していくようであれば大型株もポートフォリオに混ぜ込んでいくのもよいかと思います。
昨日ご紹介しておければよかったのですが、サイバーエージェント(4751)やエーザイ(4523)、日本電子(6951)などにも注目しておきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『 流言飛語(りゅうげんひご)が市場の本性 』
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
サイバーエージェント(4751)
エーザイ(4523)
日本電子(6951)
執筆:加藤あきら
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