今年3度目のリスクオフ局面、下落要因を探った上での判断が重要
先週末の海外市場は株安・債券高、さらに為替円高の動きでリスクオフの影響が色濃く出た週明けのマーケットになりました。
日経平均・TOPIXともに先物主導で売りが先行する流れでしたが、とくに米国株が安値引けしたことが投資家心理に不安の陰を落としているものと想像されます。
こうした大幅安の展開を前にすると昨年末のトラウマがフラッシュバックして狼狽売りをしてしまいがちですが、その辺りは今朝方の大文字コラムの相場勘所でも戒められていましたね。
また、嫌なことですが“慣れる”ということもあります。
昨年から再三にわたり売り仕掛けによる急落を経験してきた投資家さんも多いことと思いますが、対処方法も板についてきているのか個別株の狼狽売りはあまり見られませんでした。
先週末に大きく買われていたハイテク株の一部は少し動揺が大きかったみたいですね。
為替が円高に振れてドル円が110円の重要な節目を割り込んできたことには懸念していますが、日経先物はなんとか前回の3/8~3/11にかけての安値20640円は死守しました。
為替水準は明らかに前回よりも低下しておりますので、下値メドとしては2月の水準も意識しておいた方がよさそうです。
ただし、2/8と3/8いずれの場面においてもその後の反発が大きく、安値を拾った投資家にとってはその後の重要な利益の源泉となったことは疑いないでしょう。
よって、今晩の米国市場の動きはいつも以上に注意深く観察しておく必要があると言えそうです。
そもそも今回の急落については要因としていろいろ挙げられておりますが、売り仕掛けと判断している理由はちまたで解説されている景気減速懸念ではありません。
もちろん金利低下による金融株売りと長短金利が逆転する逆イールド発生によるリセッション懸念とが重なって米株急落を招いたことは事実かと思いますし、ついでにブレグジットのゆくえが依然不透明な中で、合意なき離脱に反対するデモなども心理的な重しになりやすかったと解釈することはできます。
逆イールド発生と言ってもすぐに景気後退入りするわけではなく、経済指標はあくまでまちまちです。一時的な数値に対して偏った見方や決めつけしてポジションを取ることは慎まなければなりません。
マーケットのタイミング的なところから深読みしていくと、それらとは異なる投機筋のポジション取りが浮き彫りになってきます。
とくに最近のマーケットでは、VIX指数の低下傾向が鮮明で年初来安値水準にあり、これをショートするポジションが積み上がっておりました。これを狙い撃ちしたのがいわば昨年2月のVIXショックだったわけですが、当時と今とでは金利上昇時と金利低下時といったタイミングだけでなく、指数や為替の先物ポジション残高や裁定買い残が大きく異なっています。
それなりに先回りしてリスクヘッジする投資家の姿勢が、ショートポジション残高を最高水準まで積み上げていることも挙げられます。
よって、今晩の米国市場では株価の騰落よりも米10年債利回りやVIX指数、為替水準に目を向けて買い出動の機会を窺っておいていただくのがよいでしょう。
また、トレード上級者の方はFear&Greed指数やNYSEの出来高増減、ジャンク債とのイールドスプレッドなども確認しておくとよいかと思います。
これまで同様のパターンで明日すぐに反発するかどうかは開いてみないことには予測しづらい位置ですが、本日時点で重要な節目を死守したことは大きな意味を持っていることでしょう。
幸い本日の中小型株の被弾は最小限に食い止められているかと思いますので、銘柄の吟味・目利きをしっかりと行った上でポジションを調整しておきましょう。
本日は日経平均の700円安の割に値上がり銘柄も意外に多かった気がしますし、ソニー(6758)も三空叩き込みから陽線形成しています。
地合いが悪化したら悪化したでより魅力を増す銘柄も多いですので、と・く・に今年の年初、2/8、3/8の投資好機を逃したという方こそ是非チャンスを活かして投資していただきたいと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『三空叩き込み買いに向かえ』
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
ソニー(6758)
執筆:加藤あき
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