続・深読み・先読み:東証市場区分変更がもたらすTOPIXへの影響
本日のコラムでは一昨日に引き続き、東証市場区分変更について取り上げてみます。
東京証券取引所は、2022年4月4日に現在の5つの市場区分を新しい3つの市場区分(プライム、スタンダード、グロース)に見直す事を明らかにしております。
①「東証1部」⇒「プライム」
②「東証2部」「JASDAQスタンダード」⇒「スタンダード」
③「JASDAQグロース」「マザーズ」⇒「グロース」
このうち、「プライム」市場の新規上場要件としての注目点は下記の3つです。
・時価総額250億円以上
・流通株式比率が35%以上
・従来よりも一段高いガバナンス
6月末を「移行基準日」として、9月1日から12月30日までに、上記3つの市場のうちからひとつを選択して東証に申請、来年4月4日に移行が完了するスケジュールとなります。
21年1月時点で、市場関係者の間では、東証1部上場企業約2200社のうち、およそ600社程度が新基準を達成できていないと指摘されていました。
同様に、21年3月1日現在では、1部上場企業の約30%(約700社)は、時価総額が250億円を下回っているとも指摘されていました。
直近の全体相場大幅下落の影響で、新基準をを達成できない企業の数はさらに増えている事が予想されます。
また、約45%(約1000社)の企業のPBRが、解散価値とされる1倍を下回るなど、東証1部上場企業の質の低下も度々指摘されてきました。
この市場再編が、株価に与える最も大きなインパクトとしては、
『TOPIX採用銘柄はプライム市場銘柄となる』点です。
わかりやすく言い換えると、東証1部からプライム市場に移行できない銘柄群が700社以上あるのなら、その700社以上はTOPIXから除外される事になる為、タイミングに関しては読みづらいものの、パッシブ運用資金の売りを浴びる可能性が高いでしょう。
加えて、上記のように『移行基準日は6月末』です。
直近数日のように相場全体が下落すればするほど、6月末の時点でプライム市場移行基準を満たす事が「できなそうな」東証1部の銘柄群には、TOPIX除外を見込んだ先回り売りが続く事が予想されます。
今週の市場で見られた「不安心理の負の連鎖」は、米国金利上昇とか、ハイテク株からバリュー株へのシフトといった外部要因に加え、こういった背景が影響していたものと思われます。
個別銘柄の企業業績に注目し、かつ、その銘柄が東証1部上場ではなく、単に「不安心理の負の連鎖」に連れ安したものであれば、今回の大幅下落は「突っ込み買い」の好機と言えるかもしれません。
個人的にはそんな目線で以下の銘柄の値動きを注視しております。
・2375 ギグワークス 東証2部
執筆:木村泰章
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