米アプライド・マテリアルズ決算発表からのインプリケーション:卵が先か鶏が先か
今日は大手半導体関連株はなぜ戻りが鈍いのかについて皆様と一緒に考えてみたいと思います。
先週末、5月21日に米アプライド・マテリアルズ(「AMAT」、以下AMAT)が21.10月期2Q(2月~4月)の決算と3Q業績予想の発表を行いました。
いずれも堅調な決算内容及び業績予想と今後の市場見通しだったと言えます。
①2Q決算は売上高、EPS共に市場コンセンサスを上振れ
・セグメント別でも半導体製造装置売上高は前期比55%増と上振れ
・ディスプレイ装置、サービス売上高いずれも会社想定から若干の上振れ
②3Q(5月~7月)業績についても強気見通し
・売上高は約59.2億ドル(約6400億円)の見通しで、アナリストの事前予想平均55.2億ドルを上回る
・CEOは電話会議で半導体製造装置市場が今年、700億ドル台の上の方の数字に膨らむと予測
しかしながら、これらの発表を受けて、AMAT株は時間外取引で一時上昇したものの、その後は下げに転じる場面も見られました。
旺盛な需要を受けて生産能力拡大を目指す半導体メーカーからの受注が相次いでおり、半導体の用途が広がる事からも需要増が続くと見込んではいる一方で、市場内ではAMATの業績がピークに達しつつあるとの懸念があります。
なぜならば、半導体メーカーは生産能力増強に数年かかるものの、需要は短期で変動するため生産能力の調整が難しく、半導体製造装置市場の動向は読みにくくなっている為です。
言い換えると、足元の半導体不足が改善されないまま更に需要だけが積み上がっても、半導体製造装置企業の設備投資が終わった頃には「特需」が終わっている可能性もある点が、株価の高値圏警戒感と相まって、むしろ懸念材料視されているステージに半導体関連株はある、という事になりましょう。
この「不確実性=リスク」を避けようとした資金が、半導体関連株、電子機器、ハイテク全般から流出している事が、5月半ばの大幅下落後もハイテク株全般の戻りが鈍く、なかなか投資センチメントが改善しない背景のひとつです。
『半導体不足』、『半導体関連株の業績好調』、『半導体製造業全般に強気』と、半導体関連銘柄の株価にとっては強気材料に見えるニュースやトピックスを目にする機会は多いのですが、足りないのは足元の「卵」であって、では大量に「鶏」の雛を育てようとしても、雛が鶏になって卵を産む頃には卵の需要はピークアウトしているかもしれない。。。
5G、スマホ、自動車と、あらゆるところに半導体は必要なので、個人的には、そんな懸念は「大局的」ではないようにも思いますが」。。。
「ならでは」、東京エレクトロンでもアドバンテストでも信越化学でもSCREENホールディングスでもなく、もうちょっと小ぶりの「雛」的な中小型株に注目するのも一考かと存じます。
・ホロン(7748)JQ
・QDレーザ(6613)マザーズ
・ザインエレクトロニクス(6769)JQ
・弊社昨年12月の推奨銘柄 ●●●(6●●●) 東証1部
順不同:これらの銘柄に対する投資を推奨するものでありません
執筆:木村泰章
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