結局過去1か月の日本株の動きは米国金利動向で説明が付く:需給面からもJ-REIT注目が続くか
5月半ばに日経平均が大幅下落となった局面では、その背景として「複合要因」という言われ方が支配的でしたが、あれからほぼ1か月後の今では、過去1か月間の日本株の動きは、結局のところ米国金利水準の推移でほぼ説明できる、という見方こそが支配的です。
5月12日に発表された4月の米国消費者物価指数(CPI)は、市場コンセンサスを上回って前年同月比4.2%上昇し、一気にインフレ懸念がフォーカスされて、株価下落の結果となりました。
一方で、6月10日に発表された5月のCPIも市場予想を上回る伸びとなったものの、「5月CPIはベース効果で上振れする」という話がある程度市場では織り込まれていた事や、高騰品目は経済再開に沿った内容で永続的では無いとの指摘もあり、米10年物国債利回りはむしろ低下傾向に拍車がかかった動きとなりました。
6月15日・16日には米国FOMCが予定されておりますが、テーパリングの議論はあったとしても、FRBの「インフレ率の上振れがあっても一時的なもの」という見方には、おそらく大きな方針変更はなかろうと見られています。
米国金利の動向との感応度が高い日本株セクターとしては、精密機器、医薬品、情報通信などが知られておりますが、今回いち早く、米国金利の低下を受けて物色されたのはJ-REITと見て宜しいかと存じます。
つまり、「米国金利低下=J-REITの上昇、米国金利上昇=J-REITの下落」というセオリーどおりの動きが見られます。
東証REIT指数は6月1日の安値2058.91から6月9日には高値2167.78まで買われましたが、本日の高値も2163.32と堅調推移が続いています。
では、ここからJ-REITの買い、という投資手法は「効く」のか?
正直なところ、やや機を逸した感はあります。
しかしながら、米国金利の水準を「頭打ち」と見るか「低下傾向」と見るかによって、また、FOMCで金利政策の現状維持なのか、テーパリングについての言及が行われるか、の違いによっても、投資対象としてのJ-REITは今週いっぱいくらいは「注目」ではありましょう。
加えて、今週末6月18日の終値をもって、J-REITの47投資法人は、FTSEのGlobal Equity Index Series (GEIS) への組み込みが完了します。
これは、20年9月、20年12月、21年3月に25%ずつ組み入れられ、最後の25%が6月18日終値を持って値決めされ、6月21日より反映されるというインデックスイベントです。
「順目」的な予想であれば、当然ながらJ-REIT全般は需給的に「買い」となるわけですが、ご存じのとおり、J-REITのうち2割程度の投資法人口は日銀が大株主となっており、そうした投資法人口は避けようという動きも、むしろそうした投資法人口こそに投資しようという動きも、双方ともに見られます。
タイミング的には、短期気味にベットするならば下記の3つでしょうか。。。
①今すぐ買って、FOMC後(16日)、もしくは18日の引け値で売り
②FOMC後に買って18日の引け値で売り
③FOMCも18日のインデックスも通過した後に下がったら買い、下がらなければ見送り
J-REITもその投資対象によって様々なタイプに分類されますが、オフィスビルやホテルを投資対象としている総合型よりも、米国金利動向、インデックスイベントに短期目線で取り組まれるのであれば、物流系を投資対象としているものが「無難」であるように推察致します。
日本プロロジスリート投資法人(3283)
GLP投資法人(3281)
日本ロジスティクスファンド投資法人(8967)
ラサールロジポート投資法人(3466)
三菱地所物流リート投資法人(3481)
*順不同:注目すべきマーケット動向として情報をご提供する事を目的としており、これらの銘柄に対して投資推奨する事を目的としたものではありません。
執筆:木村泰章
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