さすがに下げ過ぎか:騰落レシオは7営業日で150⇒100に低下
既にお聞き及びの事と存じますが、昨日は日経平均が09年7月の9営業日続落以来『12年ぶりに8営業日連続安』を記録しました。
前場の早い段階で28209円まで買われ、387円高となる場面があったものの、その後は先物主導で大幅下落という展開は、先週の下げに対する戻りを期待して寄り付き後に買われ、その後大幅安という今週月曜日の展開と似通っていたものと考えます。
月曜日の売りを主導したのは、海外投資家の「ロングセル=保有している株の売却」と見られており、これは、保有している日本株のポートフォリオを調整(若干の縮小)するべく、個別株を売ったものと推察され、どちらかというと、幅広く売られた個別株の下げが、日経平均の下落につながったような印象でした。
対して昨日の下げは、日経平均先物売り、もしくはインデックス売りに主導された印象で、
むしろ、海外投資家による「ショートセル=空売り」という印象です。
理論的な根拠はありませんが、感覚的に申し上げますと、朝方28000円超となっていたところから、上伸が止まった事をキッカケに「28000円空売り、27000円買戻し」を狙って売りを仕掛けた、という印象です。
しかしながら、弊社のまんもす藤井。の分析によりますと、一目均衡表の「過去に出た上げ下げの値幅が将来に影響を与える」という考え方を用いて、
9/14の高値30670円(終値ベース)から、2018/12/3~12/25の「クリスマスショック」時に出た下への値幅の3,419円を差し引いた、27251円を目先の安値メドと考えており、結局昨日の下げは、27251円にも、27000円にも達する事が無く、14時以降はやや切り返しの動きとなって、なんとか27500円をキープする形で終了しました。
https://1376partners.com/blog_fujii?year=2021&month=10&date=5
昨日の「売り仕掛け」の真偽のほどは不明ですが、その売り仕掛けの背景となったのは、下記3点と思われます。
・原油高による世界的なインフレ懸念
⇒一方で、原油高による原材料価格の上昇が経済活動を抑えるから、インフレには繋がらないという指摘もあり、原油高=インフレ懸念という連想は、いささか乱暴すぎる印象です。
・岸田政権に対する支持率の低さ
⇒支持率の低さを現時点で悲観するのは理論的根拠に乏しいように思います。
・岸田氏による金融所得課税の見直し発言
⇒最もネガティブ視されているのは間違いなくこれですが、この発言内容が実現される可能性は、選挙前という事を考えれば、低いと考えるべきでしょう。
やや明るい指標もあります。
・日経平均は既に下ブレしているものの、TOPIXは200日移動平均線で何とか踏みとどまっている。
・東証一部の値上がり銘柄数は1073、値下がり銘柄数は1015、変わらずは95、とほぼ半々。
・8日間の日経平均下げ幅は2700円超(引値ベース)となり、その間の騰落レシオ(25日)は最高値の150.44から100.3まで下落。
この3点からも、昨日の下げは日経平均型の下落であった事が窺えましょう。
本日も下落して9営業日続落となるのか、今週いっぱい続いて10営業日続落となるのか、
正直なところ、私には、理論的な根拠に基づく見込みは立てられませんものの、状況証拠を基に感覚的に予測するならば、目先の下げはほぼ27000円で一旦終了する、という印象です。
執筆:木村泰章
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