9月の工作機械受注統計(速報):機械セクター全般に反転の兆し
先ほど本日の取引終了後に、日本工作機械工業会から9月の工作機械受注統計(速報)が発表されました。
▼日本工作機械工業会受注統計2021年9月分速報(2021/10/11)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2109bnfr.pdf
受注総額は前年同月比71.9%増の1445億9400万円と、11カ月連続で前年実績を上回りました。うち内需は90.2%増の575億6000万円と7カ月連続で増加、外需は61.7%増の870億3400万円と11カ月連続で増加となりました。
最も目を引くのは前月比ベースで小幅なマイナスが続いていた外需が久々にプラスに転じた点でしょう。
特に前回8月分では前月比で10%超のマイナスとなっていたところから、7%増へと改善した事になります。
一方で、前年同月比では外需の増加ペースが、7月の103.4%増、8月の78.9%増から、今回9月は61.7%増へと、増加ペースの鈍化傾向が続いている事が窺えます。
この鈍化は、おそらく中国での鈍化が反映されたものと推察致します。
▼2021年8月分工作機械受注速報(2021/9/9)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2108mvgf.pdf
当然ながら全体相場の急落の影響はあるものの、機械セクター全般の指標銘柄のひとつである、ファナック(6954)の株価推移は、10月6日に年初来安値となる21720円を付け、その後本日は23185円(終値)まで切り返してまいりました。
加えて、機械セクターの中でも主に自動車向けという立ち位置で知られるベアリングの最大手、日本精工(6471)の株価推移についても、米系大手証券のレーティング引き上げを受け、大幅な切り返しとはなっていないものの、目先の底入れは確認できた印象です。
https://1376partners.com/blog_kimura?year=2021&month=10&date=5
まだまだ「病み上がり」的な状況ではあるものの、来月にかけて本格化する、3月決算企業の2Q決算発表シーズンで、2Q進捗及び3Q見通しにおける、機械セクター全般の「部品調達の正常化」が確認できれば、株価は本格的な出直り基調へと移行するものと考えます。
多分に希望的な観測を含んではおりますが、中国の景気鈍化懸念を、足元の業績好調推移が上回るという構図です。
ゆえに個人的には、機械セクター全般に関しては強気見通しを継続したいと存じます。
一方で、機械セクター株を保有されている会員様は、逆張りスタンスの突っ込み買いで保有ポジションを拡大するよりは、むしろチャンスがあれば一旦ポジションを縮小する方向をも模索していただき、切り返し基調が鮮明となってから再度、買い目線でエントリーし直す方が無難でありましょう。
◎既に切り返し基調へ移行したと目される銘柄群(順不同・ランダムピック)
・ファナック(6954):10月6日年初来安値21720円から切り返し基調
・オークマ(6103):10月6日安値5070円から切り返し基調
◎目先の株価底入れ確認ステージと思われる銘柄群(順不同・ランダムピック)
・アマダ(6113):10月7日安値1104円で底入れ確認か
・日本精工(6471):10月1日年初来安値741円で底入れ確認か
・DMG森精機(6141):10月11日安値1875円で底入れ確認か
・ツガミ(6101):10月6日安値1501円で底入れ確認か
・牧野フライス(6135):10月5日安値3905円で底入れ確認か
以上、ご参考となりましたら幸いです。
執筆:木村泰章
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