見るべきポイントはそこじゃない!IMFは2021年の世界経済見通しを下方修正
国際通貨基金(IMF)は12日に発表した世界経済見通しで、世界経済の成長率については2021年に5.9%、2022年に4.9%という予測を示しました。
7月調査に比べ2021年見通しは0.1ポイント引き下げられた事となります。
この世界全体の見通し、及び変更自体にサプライズ感はありませんが、個別に7月調査との比較を行うと、そこそこ大きな衝撃を受ける事となりましょう。
<<実質GDPの成長率見通し:年間変化率%>>
・7月調査
世界 6.0/4.9 2021/2022
先進国5.6/4.4 2021/2022
中国 8.1/5.7 2021/2022
米国 7.0/4.9 2021/2022
日本 2.8/3.0 2021/2022
・10月調査
世界 5.9/4.9 2021/2022
先進国5.2/4.5 2021/2022
中国 8.0/5.6 2021/2022
米国 6.0/5.2 2021/2022
日本 2.4/3.2 2021/2022
・サプライズ#1
米国に対する見通しは、2021年が7月調査比でなんと1.0ポイントという大幅下方修正!
・サプライズ#2
日本に対する見通しは、2021年が前回7月調査に続き2回連続の下方修正!
・サプライズ#3
景気鈍化が世界レベルで懸念されていたはずの中国は、それでも世界全体や米国をも上回る8%成長!
・サプライズ#4
20年のマイナス成長から21年のプラス成長の改善幅が最も大きいのはインド(16.8ポイント改善)、次いで英国(16.6ポイント改善)!
あくまでも私見ですが、ポイントは、『世界経済見通しが下方修正されたから株式相場は下がるよ』ではないような気がしています。
むしろ、米国の下方修正の幅に注目するのなら、
『FRBがIMFの数値をも参考にすると仮定すれば、テーパリングの時期は後ズレして、株式相場は米国発で目先リバウンドする可能性さえあるよ』
と見るべきではないでしょうか。
以上、ご参考となりましたら幸いです。
執筆:木村泰章
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