みんな大好き自社株買いネタ
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。
自社株買いが発表されれば、当然ながら、株価はそれを好感視して上昇するケースが多くなります。
非常に、わかりやすい好材料とも言えましょう。
でも、なぜ、自社株買いは好材料なのでしょうか?
もしくは、自社株買いは本当に、全ての場合において好材料なのでしょうか?
岸田首相が、自社株買いにガイドラインを設けるような事を国会で匂わせて、売り材料視された場面もありましたが、そもそも、自社株買いは「需給面での短期的な好材料」と捉えられがちです。
企業の投資価値が変わらなければ、いずれ売られて、元の株価に戻ってしまう可能性もありましょう。
一方で、自社株買いが好材料と目される一番の理由は、実は、「自社株を買って株価を押し上げる」という需給面に関わる事ではありません。
一般的に、自社株を買うと、発行済株式数が減ります。
会社の利益総額が変わらなければ、1株当たり利益(EPS)が増える事になりますので、そこを好感して株価水準が高くなる事が「期待」されるわけです。
つまり、「需給面」に影響を与える事よりも、「1株利益」に影響を与える事が「好材料」視されるわけです。
かつ、自社株買いの中でも、「再優位」と目されるタイプの「発表形式」もあります。
例えば、「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ 」というような発表形式は最も一般的ですが、それよりも更に「強い」と目されているのは、「自己株式取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ」というような発表形式で、自社株を取得したら、そのまま消却しますよ、という事を明言しているケースです。
自社株買いは本当に、全ての場合において好材料なのか、という点については、こんな視点もあります。
自社株買いが発表されても、取得価額の総額や株式総数には通常「上限」が設定されます。
傾向としては「上限」いっぱいまで自社株買いを行うケースが多い一方で、この「上限」は決して、達成しなければならない「義務水準」ではありません。
単なる「枠」です。
例えば、ソフトバンクの1兆円の自社株買いは、仮に1000億円分しか買わなかったとしても、それを責める事はできないわけですね。
執筆:木村泰章
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