コマツの大幅高は何を示唆しているのか?
前年同月を下回るのは5カ月連続です。
うち、内需は前月比9.9%減、前年同月比24%減。
外需は前月比10.2%減、前年同月比21.3%減でした。
従前から指摘されていた、「中国市場の景気回復が不透明」という点が、外需が冴えない事に影響を及ぼしているという点はうなずけるものの、内需の落ち込み具合も引き続き厳しい印象で、「景気敏感」と目される機械セクターの指標からは、未だに景気回復傾向が見えてきません。
一方で、会員様各位がご周知のとおり、日経平均は上昇基調が継続しています。
一昨日の工作機械受注統計を受け、昨日は機械セクターの一角が売られる場面が見られましたが、本日は概ね切り返しに転じており、中でもコマツ(6301)の5%超高が目を引きます。
日立建機(6305)も一時4%超高。
セクターは違いますがトヨタ自動車(7203)も連日の大幅高を演じています。
コマツの今期税引き前利益は前期比7%減益計画です。
加えて上述のとおり、「中国市場の景気回復が不透明」であり、加えて国内の景気回復も楽観視できません。
コマツを取り巻く背景からは、コマツの株価が上値追いとなる事を想定し難いように思います。
つまり、ファンダメンタル面を考慮した買いでは無く、ファンダメンタルやテクニカルを考慮しない、「何か」がコマツの株価を押し上げていると見るべきでしょう。
【ベータ値を検証してみましょう】
コマツの日経平均に対するベータ値は0.94。
トヨタの日経平均に対するベータ値も0.94。
日立建機の日経平均に対するベータ値は1.10。
貴方様が楽天証券のマーケットスピードIIをお使いならば、簡単に上掲の推移値を確認できます。
ベータ値とは、「連動性」を示す数値で、日経平均に対するベータ値が1近辺であれば、理論上はほぼ日経平均に「完全連動」する事になるわけです。
となると、上掲3銘柄の足元の株価急伸は、上掲3銘柄を個別に買いたい投資家により買い上げられたのではなく、日経平均こそを買いたい投資家により買い上げられた可能性が高いように思います。
いわゆる「インデックス買い」です。
しかしながら、「逆説」もありえます。
すなわち、コマツやトヨタや日立建機といった個別銘柄こそが、日経平均を引っ張り上げている、という仮説。
【日経平均構成率も検証してみましょう】
コマツの日経平均に対する構成率は0.39%で225銘柄中64位。
トヨタの日経平均に対する構成率は1.17%で225銘柄中16位。
日立建機の日経平均に対する構成率は0.4%で225銘柄中62位。
日経平均構成比率が高いトヨタ自動車が日経平均を引っ張り上げる可能性はアリと見ますが、コマツや日立建機が日経平均を引っ張り上げる可能性は無さそうですね。
となると、現在の相場概況について、こんな感じの仮説を組み立てる事ができそうです。
「上場来高値(分割考慮済で4475円)をも更新しそうなトヨタは、どちらかと言えば日経平均を引っ張り上げている組と見る」
「日経平均に引っ張り上げられる形で、コマツと日立建機は機械セクターの他銘柄群よりも上昇幅が大きくなっているとの印象」
「結局のところ、個別銘柄では無くインデックス買いこそが日経平均の上値追いの展開を演出している可能性が高い」
1989年に日経平均が史上最高値38,915.87円を記録した際の話を、当時を知る市場関係者に訊くと、概ね、「個別銘柄に実弾買いが入っていたのは33000円レベルくらいまでで、そこから上はインデックス買いだった」という見解が多いように思います。
今回の日経平均の急伸も、個別銘柄に、ファンダメンタルに基づく買いが入っていたと感じられたのは、日経平均の29000円レベルくらいまでで、
そこから上は、ショート筋の買い戻しと踏み上げ、さらに、30000円から上はやはりインデックス買い主導という印象です。
となると、インデックス買いが止まった時には、やはり30000円割れをも覚悟しておくべきでしょうし、インデックス買いが止まれば、真っ先に売られる銘柄はコマツかもしれません。
インデックス買いの主体の「最有力候補」は外国人投資家です。
毎週木曜日の夕方に発表される主体別売買動向で、外国人投資家がいつ売り越しに転じるのかを注視すべきでありましょう。
「早く崩れろ日経平均、日経平均が崩れたら、中小型成長株・グロース株の【逆襲】こそが加速する」
などと考えている私は不謹慎でしょうか。。。
執筆:木村泰章
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個人的に注目している銘柄
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◆アルプスアルパイン(6770)
車載関連の主力級銘柄です。
最も「重い」印象の株価推移ながら75日移動平均線を上抜けてきました。
これまで買い上げられたら、おそらくその辺が日経平均の「天井」になりそうな予感。
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私のコラムで紹介した銘柄
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◆日本精機(7287)
4月の初めに850円近辺でご紹介しました。
22年4月の高値974円の更新が目前。
2輪4輪関連なので、やはりトヨタに引っ張られている印象です。
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単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のプラチナメソッド銘柄【逆襲】≫
フォローメールでお伝え申し上げましたとおり、こっそり、ちょっとだけ、利益確定のご準備をなさってください。
ここを抜けると来週にも1回ストップ高かも?
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第2ターゲットを楽々クリア!
弊社の「九州シナリオ」どおりです。
◆≪緊急即日公開銘柄2023[第10弾]≫
公開から10日足らずで第1ターゲット目前まで買われてきました。
外国人投資家の保有比率が高い銘柄はやはり強い!
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