忘れもしない、14年前2009年の七夕。
前日に小さな笹の葉を買って自宅のベランダに取り付け、当時5歳だった娘に、お願い事をぶら下げてね、と言って出勤しました。

仕事から帰ってきて、全てひらがなで書かれた娘のお願い事を見て唖然としました。

「ぜったいにびんぼうにならないこと」

作り話やネタではなく本当の話です。

私は、その前年である08年に、当時勤務していたリーマンブラザーズ証券で、あの「リーマンショック」に遭遇しており、
まだまだ幼かった娘にも、08年～09年の私自身の「ストレス」や「仕事や将来に対する不安」が、知らず知らずのうちに影響を与えてしまっていた事を認識して、
申し訳ない想いでいっぱいだった事を記憶しています。

当時、公私ともにお世話になっていた、日本を代表する投信会社の外国人役員である大先輩に、娘の七夕のお願いの話をすると、豪快な笑いと共に、「木村、Take it easy！」と言われたのを思い出します。

私はそれ以前から、「Take it easy」という英語の「慣用句＝言い回し」を認識していたつもりですが、あの時の「Take it easy」ほど、響いた、刺さった、実感した瞬間はありません。

「気にするな」、「気楽に行こう」、「がんばれ！」、様々な「意訳」が可能な言い回しですが、先日米国から一時帰国した娘いわく、「パパは昔からしょっちゅう、Take it easyと言ってたけど、カリフォルニア的だよね～」との事。
そう、アノ外国人役員の方もカリフォルニアンでした。

ただ、自分自身の意識として、「Take it easy」と言うには、年回りや、経験値や、物腰や、人柄が、ある程度「シニア」の域に達していないと、言葉自体が「重み」を持たず、かつ、相手に失礼であるように思っていたので、自身が事ある毎に「Take it easy」という表現を使い始めたのは、やはり40歳代の半ば以降、この10年～15年くらいであろうと思います。

さすがに10年～15年くらい使っていると、さすがに使い方も「板についてきて」、最近では、お別れの際の「ごきげんよう」の挨拶の代わりにも、「Take it easy」を多用している次第です。

「今直ぐ急いで売るべきですか？」
「早く買わないとダメですか？」

「Take it easy」はビジネス英語では無いので、会員様各位への言葉や言い回しとして使用すべきでは無い事を認識はしているものの、私の気持ち的には、これらのお問い合わせに関する応答として最も適していると思われるのは、やはり「Take it easy」です。

「投資道の心得そのイチ」は、常々申し上げておりますとおり、「常に強気、いつも冷静」です。
どんな時も「慌てて」投資行動を取るべきでは無く、むしろ投資スタンスとしては、「気楽に行こう」くらいの余裕こそが必要なんだろうと存じます。

「命の次に大事なお金を投資しているのに、気楽に行こうなどと言うのは不謹慎だ！」
とお叱りを受けるかもしれません。
しかしながら、買いどころや、売りどころを間違えても、これら「お取り組み」自体は、何度でも修正が可能（なハズ）です。
だからこそ、お取り組み自体の基本スタンスは「Take it easy」で良いものと存じます。

会社が潰れちゃったり、大震災が起こったり、無職になってしまったり、どうにもならなそうな重大事が私自身の身の上にも度々訪れましたが、気持ちさえ強く持ち続ければなんとかなる、というレッスンを積み上げてきたように思っておる次第です。

一方、投資対象の選択には、ゆっくり、じっくり時間をかけ、持てる英知を振り絞って真剣に行う必要がありましょう。
値上がり率ランキングを参考にして、出来高急増ランキングも参考にして、どんなビジネスを展開しているのかを詳しく調査する事もせず、ストップ高に飛び付き買いをする、などという行為こそ「不謹慎」に他ならないのではないでしょうか？


それでは、良い週末を！



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆アダストリア（2685）
決算発表前に株価上昇が続いていた為に、
決算発表後の反動安はやむ無しとの印象。
2600円～2800円レンジを押し目と見ます。

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆サニーサイドアップ（2180）
2月の初旬に560円近辺でご紹介しました。
本日の株価は5月の高値を更新し年初来高値水準に進みました。
昨年5月の下落時に開けた大きな窓を、もう少しで完全に埋めきれそうです。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村のレッドダイヤモンド銘柄-PREMIUM-≫
先週1週間の上昇局面に対する速度調整の範疇と見ます。
Take it easy！

◆≪木村のプラチナメソッド銘柄【逆襲】≫
下値抵抗まで押してからの切り返し。
Take it easy！。