■結論から
休み明けの日本株市場は、楽観ムードに包まれています。
ただし、今週は重要イベントが相次ぐため、一時的な「冷や水」シナリオにも注意が必要な局面です。
特に、決算発表を控えた銘柄では「好決算でも売られる」展開に備えておくことが重要です。

マーケットが盛り上がる時こそ、心の準備＝マインドセットが勝負を分けます。
あらかじめ主要イベントを整理し、結果の振れ幅を想定しておけば、アタフタせず冷静に立ち回ることができます。

■イベント目白押し、揺れ動くマーケットの分岐点
今週は、以下の大型イベントが相次ぎます。

・10月28日：日米首脳会談
・10月28～29日：米FOMC（10月・12月ともに0.25ポイント利下げ予想）
・10月29～30日：日銀金融政策決定会合
・10月30日：米中首脳会談

日米首脳会談では、安全保障や経済連携、先端分野協力が主要議題となる見通しです。
おそらく建設的な協調メッセージが発信され、市場にはポジティブ材料として受け止められるでしょう。

日銀会合は、高市政権発足後初の政策決定会合となります。
高市首相が利上げに慎重姿勢を示していることから、現状維持（据え置き）が基本シナリオ。
ただし、過度な円安進行が続く場合は、政策修正のトリガーになり得る点には注意が必要です。

FOMCは、9月時点で年内に2回の利下げを示唆しており、10月・12月にそれぞれ0.25ポイントの利下げが織り込まれつつあります。
金融緩和の地ならしが始まりつつあると見てよいでしょう。

米中首脳会談については、先程、ロイター通信が「両国が歩み寄りを見せた」と報じています。
米国による中国製品への100％追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制も1年延期となる見通しで、過度な警戒感は後退しました。


■「期待先行」銘柄のリスクと立ち回り方
決算発表を前に、出来高を伴って上場来高値を更新している銘柄は、短期筋の思惑買いが集中しやすい傾向があります。

たとえば、アドバンテスト（6857）は明日28日に決算発表を控えていますが、株価はすでに高値圏にあり、利食い売りが出やすい典型的な局面と見られます。
また、ソフトバンクグループ（9984）も同様に注意が必要です。
両銘柄は日経平均への寄与度が高いため、個別の値動きが指数全体に波及しやすい点を意識しましょう。

好決算であっても「材料出尽くし」で売られるケースは少なくありません。
決算前に飛び乗るより、発表後に需給と市場の反応を見て再エントリーする方が、リスク管理と機会捕捉の両立が可能です。

逆に、市場予想を大きく上回るサプライズ決算が出た場合は、出遅れを恐れず柔軟に買い直すことが理想です。
部分的な利益確定を行いながら、次の波に備える姿勢こそが、「トランプ相場」を乗りこなす王道戦略といえるでしょう。


■まとめ：楽観ムードの中でこそ冷静に
今週はイベントが目白押しではありますが、株式市場にとって明確なネガティブ材料は限られている印象です。
むしろ注意すべきは、「高値が怖くて動けない心理」です。

強気相場のときほど、冷静なポジションコントロールと決算後の「買い直し力」が問われます。
材料出尽くしに一喜一憂するのではなく、想定外の好材料にも素早く反応できる柔軟さを持っておきたいところです。

今週も、投資という名の舞台で自分のストーリーを描く一週間が始まります。
成功も失敗も次への糧に変え、相場の主役として堂々と臨みましょう。


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