エスケーエレクトロニクス（6677）

液晶や有機ELをつくるときの“設計図の原版”大型フォトマスクを専門に手掛ける企業。超大判の原版まで量産できる設備と、描画精度を磨き込んだ職人技が核と見る。テレビの大画面化、車載ディスプレイの多面化、IT機器の高精細化――需要の波に合わせて高付加価値品の比率を高める運営が持ち味。素材選定から設計、製造、検査まで一気通貫で対応できる点は納期と歩留まりで効きやすい。市況の上下は避けがたいが、価格交渉と工程最適化で“底の厚み”を作るスタイルが同社らしさ。

2025年9月期3Q累計は売上高220.32億円、EBITDA55.56億円、営業利益31.72億円、経常利益29.29億円、四半期純利益20.94億円。数量回復と製品ミックス改善が寄与したとみる。会社は市況の振れを見極めつつ、高精細・大判への集中を継続。装置稼働率と原材料価格は注視点だが、付加価値の高いフォトマスク比率を上げる運営が利益のクッションになりうる。通期レンジは保守運用の印象で、投資負担と採算のバランスを重視。配当は業績連動の考え方を取り、期中の市況変動に応じて柔軟に判断していく構え。

株価はパネル市況と決算タイミングに敏感。直近は25日線と75日線の向き、出来高の持続を素直に確認したい。出来高を伴う上抜けが続けば、直近高値帯の上値抵抗が支持に転化するシナリオ。失速時はボリンジャー中心線や13週線近辺で押し目形成を想定。テーマ面では車載ディスプレイや大型テレビ関連の報道で短期需給が動きやすい。一方、パネル価格や設備投資のニュースにはネガポジ双方の反応が出やすい。段階的な指値分散とイベント後の出来高の質（増加が続くか）を重視したい。