モリカケ幕引きと米朝首脳会談
桜の開花予想がまた早まったみたいですね。たしかに東京もすっかり春めいてきています。
どんよりしたニュースが多い中で、お花見の季節が待ち遠しい今日この頃です。
さて、相場の方はというと、昨晩の米国市場のリスクオフの流れを受けて軟調に始まった日本市場ですが、売り一巡後は下げ渋る動きとなりました。
中にはしっかりと切り返す銘柄や薄商いの中で出来高を集める銘柄もあり、底堅い展開の日本株です。
ただし、下落要因を紐解いていくと「日米の政治不安」と「貿易戦争懸念」の2点に絞られてきました。
昨晩のNYダウの一時300ドル近い下落のうち、半分近くは構成比率の高い銘柄の下落が中心で、特に中国との貿易戦争懸念で標的になるボーイングや、金利動向を理由にゴールドマン・サックスなどが売られた影響が大きいようです。
一方で、新興のNASDAQは小幅な調整にとどまり、一昨晩のハイテク株売りは収まりを見せたかたちとなっています。
気になるのはNYダウのテクニカルで、チャート上では2月の市場急落後から徐々に三角保ち合い形成で煮詰まり感が出てきており、上下のトレンドラインどちらに抜けるかが焦点になってきます。
ただし、貿易戦争の懸念材料はトランプ政権の人事および大統領自身のツイッター発信からきており、その目的が昨日のペンシルバニア州の下院補欠選挙対策にあったとすると、これは民主党に惜敗するかたちで通過しましたので、おそらく早晩のうちに落ち着くことでしょう。
来週のG20財務大臣・中央銀行総裁会議では主に仮想通貨規制およびマネー・ロンダリング規制について話し合われるようですが、当然為替の動向を取り仕切る各国の政府高官が集まりますので、通商問題についても水面下でなんらかの話し合いは持たれることと思います。
そして、相変わらずマスコミの偏向報道が目立つ「日米の政治不安」ですが、これはどちらも今年の政治の目玉で『米国の中間選挙』、日本でも『自民党総裁選挙』がありますので、これらを睨んだ中期的な政局の流れがあるのだと思います。
とくに連日のスポットライトを浴びるモリカケ問題は、渦中の佐川氏が国会の証人喚問に応じることが決まり、来週にも集中審議が開かれる予定となっています。
国会でも野党が予算委審議を欠席するような事態に陥っていますので、政治空白を避けたい与党が譲歩したかたちかもしれませんが、テレビで報道されているような大事には至るものではないと考えられます。
裏読みすれば、自民党の二階幹事長が証人喚問を容認したということは、野党はこのモリカケ問題をこれ以上掘り下げられる材料を持ち合わせていないと踏んだと考えられますし、公明党が麻生財務相の政治責任に言及したということはむしろ与党として牽制する役割があることを強調するためのパフォーマンスであったと思われます。
つまり、公明党が擁護しなくても政権基盤は維持できるとの判断で、与党からすればこの佐川氏の国会証人喚問で幕引きになる懸案だと言えます。
そうなると気になるのは自民党の支持率になりますが、たしかにテレビで“安倍政権潰し”を狙った左派団体の抗議デモばかり報道されていたら嫌気がさす国民も増えるかもしれませんが、いずれは沈静化していくものと思われます。
ちょうど去年の今頃にモリカケ問題で籠池容疑者が浮上した国会紛糾が思い出されますね。
ただ、この問題が一旦幕引きとなっても“安倍政権潰し”の反体制派の動きで厄介なところは、そもそもこの裏側にモリカケ問題とは全く関係ない北朝鮮を巡る国際問題があることです。
すなわち、このモリカケ問題は政局の道具に利用されていることに他ならないということです。
この問題の本質的なところは、先日速報で飛び出してきた「米朝首脳会談」が5月に予定されたことで、北朝鮮の金正恩政権の先行きが急激に怪しくなってきたところにあります。
旧民主党と朝鮮関係者のつながりは皆様の方が詳しく知るところかもしれません。
それらと最近のトランプ政権の人事変更や中国・韓国の動き、ロシアも含めた北朝鮮情勢などを総合的にみていくと、元々の国有地払い下げの問題は些末なとまでは言いませんが、国会を止めてまで議論する問題ではありませんし、ましてや麻生財務相がG20を欠席までして対応するべきものではないと思います。
この米朝会談合意によって、国際社会の動きに大きな変化がもたらされたのは事実で、どちらかというと今後はこの北朝鮮政策や米朝開戦の地政学リスクなどが持ち上がることにつながらないかを見ておく必要があります。
株式市場の需給面では、この時期は金融機関などの年度末に伴う益出し売りなど売り圧力が強いのですが、それももう収まりを見せる頃かと思います。
むしろ日本の立会時間では朝方の売り物をこなしてしっかりとした動きで、時間外の方が先物の下落傾向が強いので、海外時間で売って、日本時間で買い戻している売買フローもあるのでしょう。
まだまだ警戒感を解くことはできませんが、ドル建て日経平均を見る限りまだ年初来のプラス圏は維持しています。
つまり、それほど需給面が悪化しているわけではないということに他なりませんので、相場格言の「買いたい弱気売りたい強気」さながらに自己矛盾のメンタルをきちんと整理しておく必要がありますね。
シェアリングテクノロジー(3989)やフルテック(6546)などの値動きが良くなってきた銘柄も出てきてますので、こうした変化から市場マインドがリスクオンに傾いてくるところを逃さないようにしましょう。
【 人 生 の 格 言 】
『 最悪を予想しておくのが得策だ。そうすればいい意味で裏切られるからである。 』
(第45代米大統領 ドナルド・トランプ)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
シェアリングテクノロジー(3989)
フルテック(6546)
執筆:加藤あきら
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