ザラ場で上値抑えられるも、相場方向は上向き
昨晩の米国市場は過熱感を伴うことなくS&P、ナスダックが史上最高値を更新してきました。
まだ終値ベースですが、NYダウも今晩のボーイング〈BA〉決算が焦点となり、それほど下振れ要因とならなければ高値更新してくる可能性があります。
とくにNYダウにおいてはチャート上での三尊天井を否定するかどうかの重要な局面にさしかかってきていますので、連休前の要注目ポイントだと思います。
他に注目はなんと言ってもやはり昨日のサプライズニュースです。
先日の統一地方選挙に並行して消費増税延期をめぐる議論も紛糾していますが、ここにきて消費税を減税する方針転換の可能性も浮上してきました。
かねてより米トランプ政権は、日本の消費増税を批判し、日本やヨーロッパが行う自国の輸出企業に対して行なっている「輸出還付制度」を問題視しておりました。
日米貿易交渉が始まり、今週末に安倍‐トランプの日米首脳会談が予定されている中、消費税議論は「延期」から「減税」へとサプライズ転換する可能性も出てきました。
昨年末の記事ですが、参考になるかと思いますので載せておきます。
アメリカが日本の消費税増税に反対か 「非関税障壁」とみなし制度そのものに否定的
とくにアメリカの立場として、「そのアメリカはこの還付金を、政府が輸出企業に与える『実質的なリベート』だと見なしていて、強い不満を訴えています。消費税制度のある国からアメリカに輸出する企業は消費税免除により『輸出還付金』の形でリベートを受け取るのに対し、アメリカ国内の企業にそうした制度はなく、輸出先の相手国の消費税を課税されている。これがアメリカからすると『不公正だ』という主張です」という箇所はおさえておかなければなりません。
政局の流れですから、まだまだ流動的だとは思いますが、先日のコラムでも取り上げた萩生田幹事長代行の増税延期発言について、安倍首相は統一地方選挙における応援演説の中で打ち消す発言はしていますが、「減税」しないとは言っておりません。
野党も野党でこれに対抗して、消費税の「減税」もしくは「廃止」というような大胆な政策提言をしないと太刀打ちできないでしょう。
日米首脳会談を終えて大型10連休に入ったところで、消費税の議論が活発化する可能性と、先日お伝えしたように「国民の信を問う」衆参ダブル選挙に踏み切る可能性も高まってきたのではないでしょうか。
あくまでまだ憶測の域を出ませんが、日本の投資家にとっては海外勢の動向に一番注意を払わなければならないところで、海外投資家が最も重要視しているのが日本の「政権の安定」にあります。
まだまだ本格的な買いに来ていない海外マネーを呼び込む上で、平成のバブル崩壊を長引かせることになった消費税は景気の重しですから、「減税」もしくは「廃止」の方が株高につながります。
財務省や財務省の息のかかった人が送り込まれているOECDにとってはたまらない話でしょうが、自民党にとっては先の統一地方選の補選で二敗して対策を講じなければいけない立場です。
ヨーロッパから始まった消費税という概念ですが、今やその起源であるヨーロッパ、EUは経済、国際社会での影響力ともに存在感が低下してきています。
消費税に関しては、国際政治の動きとして5月の欧州議会選挙の動向にも目を向けておかなければなりません。
ゴールデンウィークは目先の相場だけでなく、その先を見越して消費税議論にも大いに注目してまいりましょう。
個別株では強い動きが出始めてきた銘柄、直近の節目を抜けてきたような銘柄の押し目を拾っておきたいところです。
具体的にはスターティア(3393)や菱洋エレクトロ(8068)、あるいは昨日の理経(8226)から派生して新光商事(8141)などを連想買いしていくのも良いかもしれませんね。
残すところあと2日となった平成の立会日ですが、次の時代に向けた準備も同時に進めていきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『野も山もみな一面の弱気なら、あほうになって買いのタネまけ』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
スターティア(3393)
菱洋エレクトロ(8068)
理経(8226)
新光商事(8141)
執筆者:加藤あきら
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