情報に振り回されず“シンプル思考”で今の相場を攻略
昨日に見せた反発の芽は、ファーウェイ絡みの追加悪材料で抑え込まれましたが、本日は思った以上に値上がり銘柄を数えました。
昨晩の米国市場も半導体株は弱かったですが、その代わりディフェンシブ株が買われており、日本市場も同じような構図になりました。
投資家が先行き懸念に対していかに身構えているのかが伝わってくるような動きです。
その中で大きめの下げを見せているのがエネルギー株で、原油安の影響もあるとはいえ見過ごせない下げ方をしています。
リスク資産の指標にもなるところの原油価格が軟化してくることはつまり、景気後退懸念を市場が織り込むことになります。そうなると昨年末のようなリスク回避ムードが強まる恐れが出てきているということになります。
これは先日の日経平均が21000円割れのところで踏みとどまった底入れ期待が打ち消されてしまうことにつながりますから、投資家がリスク回避を強めていると言えます。その割にはVIX指数などは比較的落ち着いていますので不思議です。
一応のところで、利益を狙うというよりも、ヘッジ手段としてまた日経ダブルインバース(1357)などに資金が向かいやすいことも念頭に置いておく必要があります。
ただでさえ市場の売買代金は手控え感から低迷しているのに、資金がこうしたところにばかり向かってしまうと、余計に下げに引っ張られやすくなるんですよね。
現物市場の商いが薄いことをいいことに、先物主導で売り仕掛けされると、投資家の投げ売りを誘いやすいですから、要注意です。昨日書いたイベント通過まではこんな感じが続きそうです。
一方で、ソフトバンク(9984)が5%超の値下がりで、その他電子部品やエレクトロニクスなどの値がさ株もこぞって下げた割に、日経平均の下げ幅は1%以内に収まりました。
これを見ると意外に底堅い相場という見方もできます。
今週は値固めの週になるとお伝えしたかと思いますが、景気敏感のシクリカルな銘柄が売られる一方で、花王(4452)やアステラス(4503)、アサヒG(2502)といったザ・ディフェンシブ株が相場を下支えしているようです。
昨年末の下落局面でご紹介した神戸物産(3038)なども堅調ですね。
他に森永乳業(2264)やクレハ(4023)、マルハニチロ(1333)なども相対的な強さを見せつけています。
これらはリスク回避した資金の受け皿になっている側面も大いにありますので、米中問題の悪材料を織り込むまでは目を向けておくとよいかと思います。
今はたくさんの情報が入り乱れて、全部を整理しようとすると無理が生じてきます。こういう時こそ“シンプルに考える”ということを意識した方がよいと思います。
株の基本は「安く買って高く売る」ですね。
目の前にあるのはどんなチャンスなのか?という観点から、資金の“攻め”と“守り”を組み立てていきましょう。
このような相場の質が悪い時は「攻めの資金は低位株で」というのも相場の流れに合わせた手法と言えます。【みんな大好き低位株】の銘柄ヒント情報もお見逃しなく!
【 相 場 の 格 言 】
『売りが出来る人は玄人』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
花王(4452)
アステラス製薬(4503)
アサヒG(2502)
森永乳業(2264)
クレハ(4023)
マルハニチロ(1333)
執筆者:加藤あきら
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