今月の投資判断をする際に重要になるポイント
週明けは厳しい下げからのスタートとなりましたが、あらかじめリスクに身構えていた投資家が多かったこともあってか、寄り底で意外にも下げ渋る動きとなりました。
前週末の米国市場が安値引けでしたので売りが出尽くしたとは言えない状態で返ってきましたので、もう少し下値模索も覚悟しておりましたが、日経平均は2月安値の20315円付近でのサポートが意識されたとみてよさそうです。
一段安の要因としては、先週金曜日に下げたメキシコに対する輸入関税賦課だけでは説明がつかないとみられますが、思い当たるものは米国の為替監視リストの見直しくらいです。
これが主因かどうかは別として、為替が一段と円高深耕してドル円108円が切れる寸前まで下値攻めされていますので、典型的なリスクオフで「質への逃避」が加速したとみられます。
リスク資産の動きを確認すると、原油安でWTIは52ドル台に下落したほか、安全資産である金が買われて1300ドル台へ、さらに米10年債利回りが2.1%台まで急低下しており、リスクマネーが逆回転する現象が起こっています。
ただし、これも先週からの延長線上にある話で、5月末が安かったので月初に売ってきた機関投資家ポジションのフローもあったものと考えられます。つまり、今さら慌てても仕方ない側面があり、むしろ材料株には資金が一極集中する動きも見られています。
とくに先週ご紹介した直近IPOのバルテス(4442)、JIG-SAW(3914)はじめ、材料物色で出来高を集めたコロプラ(3668)やガーラ(4777)など、短期資金が積極的に動いている様子も窺い知れるかと思います。
指数は寄与度の高いソフトバンクG(9984)が▲5%超の下げとなるなど、相変わらず買いでも売りでも仕掛けに使われやすいなという印象を持っていますが、私はただそれだけのことで値動きに意味を求めても仕方ないことと割り切っています。
つまり、指数にばかり目を奪われて投資判断してしまうと、過去と同じ過ちを繰り返すことに他なりません。それよりも自分の優位性などを見直して、日本マクドナルド(2702)やアトム(7412)、セリア(2782)のような身近な銘柄などに目を向けて仕切り直していくのがよいでしょう。
本日はバイオ株の総崩れが新興市場の深押しにつながりましたが、内需の買い安心感である程度値もちの良さを演出していたのが、急転直下で投げ売りが相次いだ形です。
指数を見て怖くなったというだけではないと思われますが、月初であることを考えればファンド売りが大量に出てきて、おそらく追証に耐え切れなくなった投資家の売りが次の売りを呼ぶ展開になったのだと思われます。
個人投資家の追証は5月中旬あたりからちらほら発生しておりましたので、期間的にみるとそろそろ最終局面を迎える頃合いと言ってもよいかもしれません。
あとは裁定買い残がどれほど残っているかというところで、先週末に7000億円近くまで減少してきているようであれば底入れが近いとみるべきです。
では、反転に備えて投資判断する上で見ておくべきポイントは、明日の中国天安門事件30周年、米経済指標(3日の米ISM製造業景況指数、7日の米5月雇用統計は必須)とそれらから判断される18~19日の米FOMC、来週14日のメジャーSQと月末のG20サミット・・・等々です。
これらを1つ1つこなしながら徐々に悪材料から好材料に目を向け始める市場の動きを探っておくだけでよいということになります。つまり、株価水準で投資判断するのではなく、スケジュールに沿って投資判断を下していくのがよいと考えています。
とくに最近の株価の動きで値動きが気になって仕方ないという場合は、株価ではなく株数の方に問題があると思った方がよいかと思います。
昨年末と比べると下げ方はまだ緩やかですので、ナンピン買いで株数が増えて身動きが取れなくなってしまっていることが考えられます。
ポジションの不安を取り除くためには、そもそもの原因の元をハッキリさせておかないと、今回が首の皮一枚で退場を免れたとしても、6月後半で討ち取られてしまう可能性が残ります。
この機に弱点を克服した上で、イベント通過後の先高期待が盛り上がってくる相場に備えていくことができれば、トータルでみた資産を増加させていくことができると思います。
このポジション管理について分からない方は、毎回同じ失敗をして自分ひとりで抱え込むのではなく、あすなろにご相談いただくなどして第三者の視点を取り入れた方がコツを掴むのも早くなるかと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『相場のリズムが狂ったら身近な銘柄で立て直せ』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
日本マクドナルド(2702)
アトム(7412)
セリア(2782)
執筆者:加藤あきら
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