金融政策が出揃うも日銀は期待外れ、マクロ環境は改善が顕著
先週から続いてきた各国の金融政策発表も大きな波乱なく通過し、日経平均は投資家の不安をよそに22000円台を維持して週末の取引を終えました。
今週末は3連休ですので手仕舞い売りも出やすかったとみられますが、概ね堅調と言ってよいかと思われます。
金融政策においては日銀の政策が現状維持であった点が一番の期待外れでしたが、欧州のECB、米国のFRBはじめ諸外国は緩和方向に舵を切っていることは間違いありません。
ただ今回も米FOMCでは今後の金融政策の方針に明確な示唆が得られなかったと言えますので10月の利下げがあるのかどうか判然としませんでした。
FOMCメンバーが25bpの利下げに踏みとどまった背景には思いの外強い米経済指標の影響があったともみることができます。
なにせ直近で発表されている消費者物価指数は連銀目標の2%を軽く超えて2.4%でしたし、8月の住宅着工件数および中古住宅販売も良好な数字でした。
今後を占うのであれば、FOMCの結果よりもむしろこちらの経済指標が良好であったことに注目しなければならない気がします。
日本株は主力株を中心にだいぶ値戻しが進んできておりますが、今週は日米欧の金融政策や3連休もあってか上昇スピードを若干調整するような相場づきであったと思います。
日経平均は変則的な10連騰も演じているわけですので、せっかくなら年初来高値更新までいってほしいところでしたが、それは欲張り過ぎでしょうか。
実際にマクロ環境は改善しているわけで、これまで散々マーケットを荒らしてきた米中貿易戦争の話においても両国は間違いなく協議の妥結を急いでいるように見えます。
トランプ大統領は相変わらず貿易協定が迅速に合意されない場合には貿易摩擦を激化させる用意があるとまで言っていますが、実際のところはあらゆる交渉カードを総動員してまでも妥結したいに違いありません。
中国側にとっても香港の大規模デモ、いわば民主化運動が悩みの種になっている中、この運動を先導しているリーダー格が米国による介入を促す動きを見せるようになっており、これ以上この問題が泥沼化するのは絶対的に避けたいところであるはずです。
つまり、早晩のうちにこれまでリスクとして懸念されてきた景気後退の話や米中貿易戦争の話などが一気に急展開を迎える可能性もあるわけで、おそらく企業業績においてもマクロ改善とともにミクロも好転してきている話がじわじわと広がり始めるかもしれません。
なぜなら発売されたばかりの四季報最新刊では全産業ベースで前期の4.8%減益実績から今期は2.5%増益に転換しており、来期はさらに増益幅拡大が見込まれています。
来年の春頃には景気後退懸念の話はどこかにおいやられているかもしれません。
それらをふまえて日米の株式市場を見ると指数主導の相場は続くかもしれませんが、個別株にも上昇期待が膨らんでくる可能性は高いと言ってよいでしょう。
そもそもですが、世界の運用業界ではアクティブ運用よりもインデックス運用が主流となりつつあり、どうあっても指数に資金が流入しやすくなっています。
だからと言って日経平均が2倍・3倍になったりすることはありませんので、やはり個別株投資が個人投資家のパフォーマンスに大きく寄与することは間違いありません。
銘柄探しをしていますと東京特殊電線(5807)のように200日移動平均線を超えてきている銘柄がぐっと増えてきているかと思います。
あとは大局観を持って仕込み、値上がりを待てるかどうかになってくるでしょう。
いたずらに売買回数を増やしたとて資金が増えなければ投資目的を果たすことができないと思います。
その代わり、戦略をもって臨めば恐怖感や不安感を打ち消すことができるでしょう。
個人投資家の強みである時間を味方につけて秋相場を楽しんでまいりましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『相場に過去はない』
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
東京特殊電線(5807)
執筆者:加藤あきら
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