【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第3弾)
~相場の観測~
【週足参照】 =新たな相場のスタートを凝視する=
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前回「18年高値の更新が焦点」(2019/11/29記)では以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.2』はこちら)
「10月28日に22,867円と重要な水準22,808円を超え、11月8日にはザラバの高値が一時23,591円と上伸した。ただ、終値では11月12日の23,520円(19.11/12)を高値に騰勢一服、小動き保ち合いとなっている。現在は安値(T)20,261円を基点とする基調を維持しており第三波動の高値を探る上値トライの経過となっている。ただ、高値(O)24,270円(18.10/2)前後では複数の上値抵抗が見受けられることから18年の高値更新が出来るか否かが焦点となっている。」とした。
実際には押し幅482円と小幅にとどまり4週間程度の保ち合いを経て(U)24,066円(19.12/17)と高値に進んだ。また、同高以降は安値(V)23,204円を経て急速な切り返しで24,025円(1/14)、24,041円(1/17)と高値(U)24,066円(19.12/17)とやや伸び悩んでいる。
よって、現在は高値(O)24,270円にトライする動きが継続しており、上値抵抗が複数見受けられるが、同高値をいつ更新するかが最大の焦点となっている。さらに、同高値(O)24,270円の更新は新たな相場への進展を示唆する経過となる。
また、波動は前回述べたように、16年安値(F)14,952円から高値(O)24,270円までの第一波動。高値(O)から安値(R)19,155円までの第二波動。そして、高値(O)24,270円を上回ることで安値(R)19,155円を基点とする「第三波動入り」となる。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)24,151円=R+(O-J)
(2)24,215円=R+(C-F)
(※)24,270円…高値(O):2018年10月
(3)24,353円=S+(S-T)
(4)24,944円=R+(K-H)
(5)25,071円=R+(A-F)
(6)25,459円=S+(S-R)
一方、直近の売買高100日平均(1/17現在)は11億79百万株と18年10月高値24,270円時点の13億93百万株に対して▲15%強の水準となっていることから新値を追う展開入りも市場ボリュームのアップが相場の勢いと持続性のバロメーターとなりやすく、売買高の増加にも注視したい。
【日足参照】 =短期上昇基調の継続が重要=
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8月安値(D)20,261円以降の短期波動は、
第1波動:安値(D)~高値(E)22,098円まで(△1,837円)
第2波動:高値(E)~安値(F)21,341円まで( ▲757円)
第3波動:安値(F)~高値(G)23,520円まで(△2,179円)
第4波動:高値(G)~安値(H)23,038円まで( ▲482円)
第5波動:安値(H)~高値(I)24,066円まで(△1,028円)
第6波動:高値(I)~安値(J)23,204円まで( ▲862円)
第7波動:高値(I)24,066円を上回ると安値(J)を基点とする波動入りとなる。
よって、現在は下げ幅が862円とやや拡大したが前回にも述べた重要な2つの値幅1,348円(B~C)、1,495円(C~D)の範囲内にとどまっていることから直近の高値(I)24,066円を上回ると安値(D)20,261円を基点とする短期波動の上げ基調が継続する経過となる。
ただ、高値24,270円を更新するか否かと合わせて短期第7波動後の反動安と値幅も想定し、波動の継続および維持を見守ることが大切である。と、同時に週足ベースによる第三波動の経過も注視しておくこととなる。
また、重要なこととして相場がそうならずに反する動き(逆相場)が起こった場合のことも十分認識し常時考慮と想定を怠らないことである。
【フォーカス】 ~波動の進展と上値予測の計算例~
相場は売り手と買い手の何れかが勝ち、何れかが負けるかである。要するに、両者(需要と供給)の均衡の崩れ方によって価格は大幅または小幅に動くものである。
一般的に相場の大前提は「材料で動く」とする考え方が大勢を占めているが、『需給』こそ相場の源泉である。
刻一刻と変化する需給は株価の変化となりチャートとして表すことができ、株価と時間の二つのバランスが相場習性として読みとることができる。
よって、声なき相場の声を聴く姿勢が大切であろう。
その相場へのアプローチの手段として、チャートの有効性を再確認しまたは利用したいものである。また、チャートは相場のあるもすべての商品に通用することから幅広く利用できる利点がある。
そこで、今回は波動の転換と上値予測について「ニューヨークの金価格」(チャート参照)でみてみることにした。
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安値(A)1,049.6ドルからの上げは高値(B)1,372.6ドルで頭打ちとなって反落した。反落の安値(C)1,129.8ドルは前安値(A)1,049.6ドルをから上方位となった。安値(C)以降は、値を戻す場面も(高値:D、F、H)、前高値(B)1,372.6ドルを上回ることができず、安値(G)1,184.0ドルも前安値(C)1,129.8ドルを維持し、長期間の「保ち合い相場」を形成した。
相場経過は「三波動」でイメージすべし!
安値(A)から高値(B)までが第一波動。高値(B)から安値(C)までが第二波動となる。
よって、第三波動入りとなるには高値(B)を上回ることが条件となる。この高値の更新こそが「波動の転換」であり新たな相場への進展を示唆することにつながる。
・高値(B)を上回った時点で初めて安値(C)が前安値(A)からの切り上げ確定となる。それまで安値(C)は未確定として扱う。
また、高値(B)の更新で「上方向を示唆する」ものとなる。
ただ、高値更新した場合を想定し事前に上値を計算しておく「予備計算」が上値バランス値(水準)として有効となる。
これらの計算(値)は、二つの値幅の上げ幅△323.0ドル(A~B)と下げ幅▲242.8ドル(B~C)をもとに三つがある。
・チャート上には、以下の基本的な三つの計算値を表記した。
①安値(A)~高値(B)までの上げ幅を安値(C)に加えた水準
②高値(B)~安値(C)までの下げ幅を高値(B)に加えた水準
③安値(A)~高値(B)までの上げ幅を高値(B)に加えた水準
執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業会に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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