株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-02-11 12:00:00

加藤あきらの投資戦略室

日本休場中につき足元の市場環境と今後のスケジュールを整理

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◆加藤あきらの投資戦略室【2020/2/11】◆
『日本休場中につき足元の市場環境と今後のスケジュールを整理』

おはようございます。
今回は緊急フォローではありませんが、ぜひ知っておいてもらいたい市場の現状認識についてお話したいと思います。

日本市場は「建国の日」で休場です。
せっかくですから谷間の立会だった昨日を振り返りつつ、現在のおかれている市場環境の確認と今後のスケジュールを整理しておきたいと思います。

市場の雰囲気はちょっと嫌な感じになっていますね。

新型コロナウイルスの話も一応そうなんですが、日経平均は辛うじて25日移動平均線を死守したから良いようなものの、ここで踏ん張り切れずに25日線割れといったことになりますと今回もやはり24000円の壁は厚かったということになります。

チャート形状では12/17・1/17・2/6と高値をとって、このまま下げてしまうと短期的に三尊(トリプルトップ)形成となって売り方が勢いづいてくることになりかねません。

まだ今週は始まったばかりとはいえ、なによりも週末にSQが控えていますから、機関投資家の彼らがどうしたいか次第と言えます。非常に微妙なところです。

日本株は今週で決算発表が一巡してきますし、ヘッジファンドの45日ルールに伴う解約売り圧力も和らいでくるはずです。

ところが、昨日またも例のコロナウイルスが悪さをして関連銘柄が盛り返したりもしているので、投資家がこの市場ノイズを必要以上に受け止めてしまうと、また狼狽売りが連鎖する事態を引き起こしかねないので注意が必要なのです。

不透明感が残っているうちはアルゴが暴走したりして完全に消化しきれないでしょうから、市場としては少なくとも感染者の人数の増加がピークを打つような分かりやすさを求めているのだと思われます。

コロナウイルスに関しては連日のようにマスコミが必要以上に騒ぎ立てるために、今ごろになって大変だ~と騒いでいる人も多いですが、WHO(世界保健機関)の資料によると1日当たりの感染者数の増加は2/5をピークにして徐々に鈍化してきています。

また、2003年のSARSや翌年の鳥インフルエンザの流行した時と比べて、中国の対応や世界が協調して封じ込めに動く早さ、予防法や治療法などの情報拡散のスピードもSNS普及によって格段に向上しています。

単に情報の共有だけでなく、医療技術やテクノロジーの進化も相まって、人類はこの危機対応において過去の経験が活かされているのです。

株式市場でも同様に、過去の経験則から今回のコロナウイルスがもたらす経済への悪影響を早い段階で織り込む作業に入り、消火するのもまた早いと考えられます。

ですから、昨日にまたもウイルス関連のダイトウボウ(3202)がストップ高したりしていますが、これには中国の春節明けで止まっていたヒトとヒトの接触が増えて感染者が一気に拡大するのでは?との思惑が働いたからだと思います。

しかし、当の中国では在宅ワークなどでカバーしたり、市内では多くの人がちゃんと予防対応して動いているようですので、ここで感染者数の増加が一定水準にとどまるようであれば、すなわち市場が求めている“事実上の鈍化”ということになります。

あとはマーケットで注目すべきは何よりも当局の金融政策だという話を何度もしてきましたが、今日明日の米国時間でパウエル米FRB議長が米下院・上院でそれぞれ議会証言します。

昨日のコラムでも書いていますが、ここで「もし新型コロナウイルスが米国経済に深刻な悪影響をもたらし得るものであれば必要な措置を取る」といった発言をするかもしれないですが、マーケットが期待しているのは予防的利下げするのではないか?ということだと思います。

米国の経済指標を見る限り、私はしないと思うのですが、ここのところの米10年債利回りの低下はそれを催促してのものだと考えなければどうも辻褄が合わないのです。

いずれにしても市場底入れ時期は、以前もお話した2月中下旬ごろになってくるのだと思いますし、日本と税制の異なる米国では税還付金が返ってきて、これもまた投資金が潤うことになるとみられますので、崩れかけた米国株は力強さを取り戻してくる可能性が高いと言えるでしょう。

昨晩もなんだかんだ言って、米国市場ではS&P500とナスダックは最高値を更新しているくらいですから、あとは不気味に下げている米10年債利回りとバルチック海運指数なんかが切り返してくれば調整完了といったことになるのかと思います。

そこから3/3の米大統領選挙のための予備選・党員集会が集中して行われるスーパーチューズデーに向けて株高維持のためにマーケットフレンドリーな好材料がバラまかれることになりやすいことに加え、3月メジャーSQにかけては再び積み上がってきている裁定売り残の解消で買い戻し圧力が強まってくるものと思われます。

若干、希望的観測も交じっていますが、市場が悲観している現在の環境下ではこのくらいに考えておいた方が無駄に狼狽売りすることにもならないかと思われます。

おそらく私のコラムを読んでいただいている方々は、しつこいくらいに資金管理の重要性について書いてきましたから現状身動きが取れなくなっている方は少ないと思いますし、余力も空けておられるはずですから狼狽売りする事態にはならないでしょう。

むしろ足元の不安定な相場環境でも下値が拾える機会が出来てラッキーだとポジティブに市場と向き合うことができていることでしょう。

ただでさえこの低金利環境下で、各国から大量の資金供給で市場にボーナス資金が流し込まれているのですから、利食いや損切りを早まってはいけないわけです。

問題はその株高の前に下振れがあるかどうか、いわばバブル前の屈伸運動がどの程度の深さかを見極める作業が必要なだけであって、あとは目先の動向を怖れずただ前に進むことを考えるのです。

くれぐれも市場商いが薄い中での株価乱高下に振り回されることなく、一時的な材料株は飛びつかず、実力のあるニッチトップ企業やファンダメンタルのバリュー下支えが効いている銘柄を中心に仕込んでおきましょう。

必ずや期待以上のパフォーマンスを叩き出してくれることになるはずです。

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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者:加藤あきら

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