昨日は日本の休場中にアジア、欧州、米国とそれぞれ上昇し、出遅れた日本株も上値を試す動きが期待されます。

どうやら新型コロナウイルスにも「COVID-19」といった正式名称がつけられ、やはり感染者数の増加にも一定の歯止めがかかってきたとみられます。
正体不明だと必要以上に警戒感が出てしまいますが、徐々にその輪郭がハッキリしてくると冷静さを取り戻して“正しく恐れる”ことができるようになってきます。

どんな災難がふりかかろうと、困難な壁にぶち当たろうと冷静沈着に行動することが大事ですね。

それは株式投資も同じで、日経平均はやはり24000円が大きな壁になっています。
2018年の1月から4度にわたって上値を遮られているのですからなかなかに困難な壁だとみられます。

昨日も海外市場が強含みでドイツ株や米国株が高値更新の動きを見せた中で、日経先物も24000円にトライしましたが、パウエル米FRB議長の議会証言をうけてリスクオンの動きが一服となり、またも押し返されてしまっています。

それもそのはずで、今回の新型コロナウイルス、いや「COVID-19」には慎重に注視していくとの対応に前向きな姿勢を示したものの、現在のトレジャリービル購入をスローダウンする旨の発言を行いました。

トランプ米大統領は当然ながら米FRBにすぐに利下げしろと促すような発言を繰り出していますが、元々年末の資金供給に焦点を当てたレポ取引を縮小させていくことを示唆しました。

おそらく米国経済指標の好調をうけて出口を探り始めたのでしょう、ある程度は想定されていたものだったとはいえ、市場が期待していた緩和姿勢の継続あるいは拡大と真反対なわけですから、意気消沈といった具合です。

それで昨晩の米国株もNYダウなどは一時前日比140ドル近く上昇して高値を更新したにも関わらず、引けにかけては失速してマイ転して終えてしまっています。

ただし、これらの動きの中で今後の株高の支えとなりそうなものは、まず当然ながら債券が売られて長期金利が跳ね上がりますので、米10年債利回りは1.60％台を回復。
さらに、景気先行指標ともされる銅先物価格が再び反発したほか、一貫して下げてきていたバルチック海運指数も反発を見せたことなどです。

米FRBはバブル抑制に手綱を引き締めに動いたのか、それともすでにその素地は十分に整っているとの判断でアクセルを踏むのをためらったのか分かりませんが、いずれにしても市場のモヤモヤっとした悲観はひとまず後退することとなりました。

ここから注視しなければならないのは「COVID-19」はともかく、この売られ始めた債券からマネーがどこに向かうかになります。

なんか仮想通貨のビットコインなどが急上昇しているのですが、これは置いておくとして、株式市場にすんなり向かってくるかどうかが重要です。

さらにこの債券が売られて金利が上がり始めたら、そのペースが非常に重要になります。
米国は株高、ドル高、債券高のトリプル高でしたから、もし異常なほどに早いペースで金利が急上昇するということになりますと、株式市場にとっては副作用が大きく働いてマイナスの影響をもたらします。

株価の動向も大事ですが、リスク資産全般の動向とリスク指標のVIX指数などにも目を光らせながら、慎重に取り組んでいきましょう。

投資スタンスはいつも通りで特に変更する必要はなく、過度な悲観も禁物です。
2000年のITバブルの際にもそろそろ天井かと思いきや、ハイテク株がその後異常なほどの高騰を見せています。
SOX（フィラデルフィア半導体株）指数が再び高値更新に向かって鋭い上昇をみせていますから、やはり半導体株を中心に、そこから派生してくる出遅れの素材株の動向を追っていきましょう。

出遅れた中小型株が利益の源泉になるであろう個人投資家が多いと思いますので、まだ慌てるような段階ではありません。

リスクが心配な人はキャッシュポジションを高く保ち、本日はとくに日経平均ではなく中小型株のマザーズ指数などにもきちんと資金が向かってくるかどうかを見極めていきましょう。

当の私はすでに準備万端で、【加藤あきらの真田丸銘柄】の出陣の機会を窺っていますから、株取引に自信が持てないという人こそ一緒に闘っていきましょう。

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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
　あなたは富を築くことができる。』
（マーク・リッチー）

それでは本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者：加藤あきら