株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-03-11 15:00:00

加藤あきらの投資戦略室

高ボラティリティ相場の仕掛け人と優良株の仕込み場

まだまだ波乱含みながらもとりあえずは反騰態勢に入ってきた株式市場。

相場解説の前に告知ですが、あすなろではただ今創業記念の特別企画【大石&石井の財宝銘柄】を絶賛大募集しています。
株式市場に調整はつきものですが、優良株を仕込むチャンスに恵まれたと考えれば前向きな気持ちになりますね。ぜひご期待ください。

さて、相場の方はというと、昨日は底値圏から大幅上昇をみせたわけですが、とりあえずの自律反発といったところで本日は早速ながらに上昇一服感が漂っています。

下げ相場のヤマ場を越えたとすれば、もう少し期待して上値を積極的に買い進んでいってもおかしくないところ、なかなかそう簡単にV字リバはさせてくれないといったところでしょう。

日本はやはり米国みたいに大規模な所得減税とか消費減税とか打ち出せるわけではないのが現実で、もしそんなことが可能ならば全く違った景色になっているのではないかと思います。

全ては政治ですね。

しかし、ただ何でも政治のせいにすればよいわけはなく、それだと単に思考停止ですから、外部環境に目配せしながら自分の立ち回りを考えていかなければなりません。

まず注目しておくべきは原油市場の動きです。

週初の異常な下げを引き起こした震源地であるだけに、当面はこの原油価格とにらめっこしながら相場のシナリオを組み立てていく必要があります。

なぜならば、一連の“コロナショック”と揶揄されてきた急落相場ですが、本質的に見ると不可解極まりないものでした。

コロナの流れから今週の月曜日はセリングクライマックスを演じたわけですが、これはつまり“余計な下げ”であったと分析します。

ここで泣く泣く損切りさせられた投資家は多かったように思いますが、テクニカル的にもアノマリー的にも土俵際ギリギリまで追い込まれたわけですので致し方ないものと言えるでしょう。

3/9のセリクラは前週末のOPECプラス会合において、産油国協調減産の交渉決裂をうけたサウジアラビアが半ば逆ギレ的な方針転換で大幅増産に踏み切ったことが発端となり、さらには“信用リスク”にまで問題が飛び火してパニック売りとなりました。

かつてのリーマン・ショックを経験したことがある投資家にとっては、コロナよりも原油安よりも何よりもこの“信用リスク”に恐怖を感じますので、プロの機関投資家でもヘッジでポジションをスクエアにしていたファンドマネージャーでなければ投げ売りした方もいたかもしれません。
もちろんその前段階からポジションをある程度落としていたかとは思いますが。

原油先物価格は1月の年明け63ドル台から下落し始め、その後も2月中旬に一旦持ち直す動きでフェイントをかけ、2/27以降で一気に下落基調が強まる展開となっています。

最終的に27ドル台まで▲57%の下落、3/6のOPECプラスで交渉決裂となっての下げ分▲34%を差し引いてもコロナウイルス、もしくは中国の需要減退を理由としても辻褄が合いません。

年初から外資系のポジションがやたらと売り越しで、日経平均の上値が24,000円どころで重たかったのはこのオイルマネーの換金売りであったと考えるとしっくりきます。

これには中東だけでなく国際的な政治的駆け引きが絡んでいると考えられるために、ここでは詳細を書きませんが、昨晩はトランプ米大統領もサウジ皇太子と電話会談し、世界のエネルギー市場について協議したようです。

今年トランプ米大統領にとっては、原油価格の下落は実体経済にプラス要因ですし、コロナを理由に宿願の利下げも実現の運びとなったわけですので、ある程度はサウジと利害の一致があったものと推察されます。

要するに、北朝鮮の地政学リスク、米中貿易戦争と同様にある程度は出来レースだったとみられるわけで、彼はビジネスマンですから最終的に勝利をめざして株高誘導に動いてくるものだと考えてよいでしょう。

つまるところ、目先は来週の米FOMCで追加利下げが行われるかどうか、大型経済対策の実施時期はいつになるか、そして原油を巡るOPECプラスの足並みの乱れが原油市場にどう作用してくるのかが重要です。

この高ボラティリティを演出したのは産油国のオイルマネーが中心で、この上下に振ってくる過程で今度は静かに日本株を買い集めることになりましょう。

それらの準備が整い次第、ようやくマーケットは大きく反発をみせることになろうかと思います。

足元では日銀のETF買い入れ枠拡大の話も浮上してきていますし、引き続き政策的なニュースを中心に追いかけて行く必要があるのでしょうが、こういった展開では不透明感から上値が重くなりがちです。

そうした前提に立つと、日経平均は日銀ETF買いコストの19,500を目安に上下する展開を想定しておき、あとは為替ドル円が伸びてくるようであれば上値も伸ばすことになるのでしょう。

銘柄選びの上では先週末の終値を上回り、かつ、昨日の高値を抜けた後にダレていない銘柄は売り物が枯れ切っている可能性がありますので注目です。

私が見ているところですと、例えば資生堂(4911)、ライオン(4912)、レック(7874)などがその類だと思います。

今まさに200日移動平均線で攻防戦になっている田岡化学(4113)や5日移動平均線を上抜けてきた日本高純度化学(4973)などが好みですが、どうでしょうか。

他に異様な上昇を見せている日本取引所G(8697)をはじめ、自社株買い発表で動意したソフトクリエイト(3371)、荏原実業(6328)などもスクリーニングにヒットしてきました。

成長株の分類としてはMonotaRo(3064)やSHIFT(3697)なども今後の注目となります。

このように市場全体の動きとは一味違った値動きを見せている銘柄は監視対象に入れておき、調整局面で足腰の強さを確認してから買い付けるようにすると良いでしょう。

そうすればヤマを張って投資するよりもパフォーマンスが良いでしょうし、石橋を叩きながらの銘柄選定にはなりますが、このボラティリティ(変動幅)が大きい相場も攻略できるのではないでしょうか。


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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
 彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
(「ゾーン 相場心理学入門」より)

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
資生堂(4911)
ライオン(4912)
レック(7874)
田岡化学(4113)
日本高純度化学(4973)
日本取引所G(8697)
ソフトクリエイト(3371)
荏原実業(6328)
SHIFT(3697)

執筆者:加藤あきら

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