年度末の特殊需給で日本株は下げ渋り、幕間つなぎでテーマ株物色が活発
新規の感染者数が急増、さらに国民的スターの有名人の逝去など悲壮感の漂うニュースが次々と舞い込む中、朝方には指数寄与度の高いソフトバンクG(9984)の下げが▲10%を超えたことやファーストリテイリング(9983)も▲5%超などもあり、日経平均は下げ幅800円を超える場面がありました。
しかし、取引終盤には300円安にまで下げ渋って終えましたので、今回の配当落ち分として180円程度が見込まれていたことを鑑みると、実質は120円程度の下げとなります。
配当再投資の買いや日銀のETF買い、GPIFのリバランス買いなど要因は様々に特殊な年度末需給によっても買い支えられた相場とみることができるでしょう。
あとはかねがね申し上げてきた経済対策がまとまるまでの需給相場をどう立ち回るかといったところですが、テーマ株物色が活発化しています。
これはもう好みの世界かもしれませんが、「マスク」は急騰相場の第2章となっており、次いで「テレワーク」もストップ高銘柄が続出、「ウイルス対策系医薬品」では富士フイルム(4901)、大幸薬品(4574)の大型・中型株にも資金が流入しています。
こうしたお馴染みテーマをおさえつつ先週は人工呼吸器関連をご紹介しましたが、早速のところ大研医器(7775)がストップ高まで買われました。
当てっこしたいわけではありませんが、注目すべきはこの局面で逆行高してきた任天堂(7974)かと思います。
今更言わずもがな、巣ごもりでゲーム需要が盛り上がるとの思惑でしょうが、ゲーム株は案外値ごろ感があるものが多く散見されます。
本日はマザーズ市場の売買代金が低調で、ゲーム株の不人気ぶりが浮き彫りとなっていますが、一歩外れて東証1部のスクウェア・エニックス(9684)、カプコン(9697)、ネクソン(3659)をはじめ、アカツキ(3932)やKLab(3656)、エムアップ(3661)なども逆行高しています。
オリンピックが延期になる代わりに「eスポーツ」がオンラインで大々的に開催される?…なんてことは無いと思いますが、以前はオリンピックの正式種目になる可能性も話題になったこともありました。
あとは「遠隔医療」テーマでMRT(6034)がストップ高したことから、以前ご紹介したメドピア(6095)やエムスリー(2413)なども一緒に動意してきたことも納得ですね。
日本政府が緊急事態宣言や大型経済対策を講じるまで本格的なアク抜けは期待できそうもないことから、それまでは幕間つなぎのテーマ株物色が目立ちやすいと思われますが、どうせ手がけるなら一過性の物色ではなく息の長いテーマで買われる銘柄を見極めていきたいところでしょう。
株価が地合いで売られても見放してはいけないのが「サイバーセキュリティ」になりますので、先日ご紹介したFFRI(3692)だけでなくデジタルアーツ(2326)、イメージワン(2667)など関連銘柄をいま一度洗い直しておくとよいでしょう。
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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)
『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
(「ゾーン 相場心理学入門」より)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
スクウェア・エニックス(9684)
カプコン(9697)
ネクソン(3659)
アカツキ(3932)
KLab(3656)
エムアップ(3661)
メドピア(6095)
エムスリー(2413)
デジタルアーツ(2326)
イメージワン(2667)
執筆者:加藤あきら
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