海外休場でやはり自力で上値は追えない日本株、日経平均は3/25高値19,564円を目前にしてまたも押し戻されてしまいました。

ちょっと嫌な売られ方をしているのが、鉄鋼はじめ非鉄金属やガラス・土石、金属などの素材セクターで、25日移動平均線を抜けている銘柄などは問題ない一方、これに打ち返される銘柄が少なからずあります。

日本碍子（5333）などは底入れから初めの自律反発は強かったのですが、25日線超えに失敗するとかえって上値の重さが意識される銘柄となってしまいました。

東邦亜鉛（5707）や東邦チタニウム（5727）なども出遅れ組でさすがに新安値更新の銘柄などは見かけなくなりましたが、先週いろいろとご紹介した銘柄とは明らかに明暗くっきり分かれた感じになっています。

本日の動きからはおそらく全体は一本調子で上げることはかなわず、多少の揉み合いが必要で物色も出遅れに広がってくるでしょうから、逆張り銘柄にも視線を落としておいた方がよい局面と言えるでしょう。

相変わらず市場下振れが加速して2番底を恐れる意見もみられていますが、先週の週間上げ幅が大きかったわけですから多少の反動安があっても狼狽する必要など無いでしょう。

目新しい材料はOPECプラスでの協調減産合意（しかしまだ足りない）がポジティブ、中国の武漢ロックダウン解除から感染拡大の第二波懸念がネガティブといったところでの綱引きで、結局のところ日本の政策対応については関心すらないようです。

国内要因としてはむしろ企業の決算発表の方が関心を集めそうで、日本電産（6594）などは延期を発表しましたが安川電機（6506）は先週末に予定どおりに発表しました。

前期は案の上の減収減益で今期業績は非開示、1Q見通しのみを開示しやはり大幅減益は避けられない模様、ただ赤字転落の事態にまでは陥らないとのことが多少なりとも安心感を誘います。

新型コロナウイルス影響の大きさを考えれば、3月以降の業績がズタボロになるのは目に見えて分かっていることですし、大企業といえども赤字転落する企業がきっとゴロゴロと出てくるはずです。

しかし、安川電機に限らず、あえて厳しい見通しを発表したイオン（8267）などは朝方に売り先行も力強く切り返すなど、今日のような地合いでこうした動きを見せたことは心に留め置くべきことでしょう。

つまり、業績悪化が必ずしも売り材料となるわけではないということも念頭に置いておく必要もあるということです。

こうして外出自粛の規制や世界中でロックダウンがなされてヒト・モノ・カネの動きを強制的に止めてる状態では経済が落ち込むのは当然の理屈で、決算発表がなされて初めて気付くようなものではありませんね。

ということは、業績で売られないどころか、本日のローツェ（6323）のように多少良好なだけでもストップ高まで買われたりすることがあるということです。

ローツェなどは半導体関連の機械株ですから業績が良くなりそうなことは明白ですね、そしてこの新型コロナウイルス騒ぎが無ければ増益幅などはもっと拡大していたかもしれないわけです。

ところが株価が他と一緒になって極端に売り込まれている状況にあるからこそ、こんな動きにもなってしまうのですね。これをヒントに半導体、半導体と辿っていけば、かつての保有株などにこうして急騰を演じるものが続出することになろうかと思います。

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『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
　彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
（「ゾーン　相場心理学入門」より）

それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
日本碍子（5333）
東邦亜鉛（5707）
東邦チタニウム（5727）
日本電産（6594）
安川電機（6506）
イオン（8267）

執筆者：加藤あきら