【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第6弾)
~相場の観測~
【週足参照】 =上値を試す経過=
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前回「値幅が伴う反動高とリズムの逆転形成を待つ」(記:2020/3/19)では以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.5』はこちら)
「高値(O)24,270円から同年12月安値(R)19,155円までの下げ幅▲5,115円、および15年6月高値(A)20,868円から翌16年6月安値(F)14,952円までの下げ幅▲5,961円の重要な二つの水準(18,968円、18,122円)を一気に下回り、直近の安値(V)16,552円までの下げ幅は▲7,531円(U~V)、および▲7,718円(O~V)と拡大し、09年3月安値7,054円以降最大の下げ幅となった。よって、現在は下値を探る経過の継続となっている。
その場合、下値は以下の水準が挙げられる。
(1)16,514円=24,270円-7,756円(04年5月高値~07年7月安値)
(2)16,439円=T-(U-T))
ただ、短期の急激な下落で下げ幅も急拡大していることから反動高が伴いやすい状況にあり、生じる反動高の値幅が注視される。
その場合、以下の反動高値幅が挙げられる。
※アンダーラインの値幅がより抵抗を示す可能性がある。ただ、クリアすることで順次アンダーラインの値幅にターゲットが移りやすくなる。
①902円 ②1,045円 ③1,112円 ④1,348円 ⑤1,495円 ⑥1,899円 ⑦2,046円 ⑧3,152 ⑨3,419円
※水準は今後に示現される安値に加算して求めることになる。」とした。
実際には、前回原稿執筆日3月19日の(V)16,552円を安値に急伸し、値幅3,086円の大幅な反動高が出現した。また、半値戻し水準20,318円には及ばないものの前値幅2,046円(S~T)を上回る反動高が生じたことから、上げ幅が拡大しやすい経過となっている。
上げ幅としては、①3,152円(R~S)、②3,419円(Q~R)、③3,507円(K~L)、④3,653円(L~O)、⑤3,822円(T~U)、⑥4,928円(R~U)、⑦5,115円(O~R)、⑩5,916円(A~F)などがある。
よって、現在は高値(O)24,270円を基点とする下げ三波動形成後の第4波動(O~R~U~V~?)の高値を探る経過となっている。
その場合の上値は、以下の水準が挙げられる。
(1)19,704円=V+(S-R)
(2)19,971円=V+(Q-R)
(3)20,059円=V+(K-L)
(4)20,205円=V+(O-L)
(※)20,318円=半値戻り水準(U~V)
(5)20,347円=V+(U-T)
(6)21,480円=V+(U-R)
(7)21,612円=V+(C-F)
(8)21,667円=V+(O-R)
(9)22,468円=V+(A-F)
ただ、上げ幅の拡大も値幅3,152円(R~S)および3,822円(T~U)は一旦騰勢が鈍化しやすいい水準とみられ売買高の増加が重要となる。これらの水準を突破するとさらに上げ幅の拡大につながる可能性がある。
【日足参照】 =短期基調の維持が重要=
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また、日足では前回「値幅のある反動高の発生を待つ」(記:2020/3/19)と、以下のように述べた。
「19日(金)は▲459円と続落した。2月初めの3日連騰以降は、わずか1日から2日の値戻(一時的止まり値)しを挟む下落リズムの基調となっている。現在はこの下落リズムが逆転する“上げの日数が多く値幅も大きくなる一方、下げ(反落)の日数は短く値幅も上げ幅より小さくなる”かが焦点となる。
また、値幅がともなう反動高の発生後に生じるリズムの逆転は、相場の反転(=波動形成)につながりやすくなる。
換言すれば、相場の「現状を認識」するとともに「自律性の変化」を注視し、「下げの終焉」を確認(待つ)することが大切である。」とした。
実際には、3月19日の16,552円を安値(L)に3日連騰で高値(M)19,546円、(上げ幅2,994円)と急伸したあと反落し、安値(N)17,818円(下げ幅▲1,728円)を経て切り返し、直近の高値(M)19,546円を上回った。
よって、現在は大幅な反動高を入れたあと下値切り上げ波動を形成したことから、これまでの下げに対し、一旦戻りの高値を試す経過(L~M~N~?)となったことから「能動的」な上値計算が可能となった。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)20,812円=N+(M-L)
(2)21,274円=M+(M-N)
(3)22,540円=M+(M-L)
ただ、上げ基調の継続には「下値切り上げ」の維持が条件となることから、今後に生じる反動安値幅が重要となる。
反動安値幅は、①902円(I~J) ②1,112円(H~I) ③1,728円(M~N)の範囲内に収まることが重要となる。また、③1,728円を上回るとさらなる値幅の拡大につながりやすくなる。
その場合、直近安値(N)17,818円が維持できれば“もみ合い相場”へ移行する可能性がある。
ただ、同安値(N)を割り込むようだと前安値(L)16,552円をうかがう動きにつながりやすくなる。
【フォーカス】 ~過去が現在に影響を及ぼす相場の不思議(値幅につての補足)~
水準の観測には、新しく発生(日足の項で記述)した波動から求める「能動的(アクティブ)」なものに対し、過去に出現した値幅(週足の項で記述)から求める「受動的(パッシブ)」なものと二つのアプローチがある。
過去の騰落値幅で測るのは、現在の週足のように計算ができる波動が生じていない場合(日足も同様)である。
また、現在の相場は過去の値幅の影響を受けつつ(≒支配)再現されることが少なくないことから、相場の習性として捉えて使用するもので「習性値幅」と称される。
したがって、大幅下落のあとに波動が発生した現局面では、能動面と受動面の両面から均衡点(=均衡値、計算値、バランス値)を探るアプローチとなる。
材料では決して「水準」を求めることができないことから、波動をベースに均衡点として複数の水準を見出ことができる。
水準の観測は非常にシンプルで便利である。相場の“上げ・下げ”を問わず利用することが可能で必要不可欠な手法といえる。
※参照 ~値幅の影響と均衡の原点~
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波動は、基点の安値(A)14,485円から高値(B)22,666円~安値(I)12,879円を経て高値(L)20,833円まで「三波動」である。
第一波動の上げ幅8,181円(A~B)は、その後の第二波動の上げ幅(I~L)7,954円(誤差227円)と過去(第一波動)の値幅の影響または支配を受けつつ「均衡の原点」(1対1)へと進展した一例である。
また、高値(B)22,666円から安値(I)12,879円までの下げは、安値①~高値②~安値③~高値④~安値⑤とカウントできる。
高値と安値は、順次切り下げ(高値:B>D>F、安値:C>E>I)、戻りの値幅も3,378円(C~D)>2,600円(E~F)>2,328円(I~J)と前値幅の影響を受け前値幅を上回ることもなく次第に縮小する下げの五波動構成となっている。
注:安値(G)14,715円は前安値(E=③)14,664円より上位にあることから安値(G)=⑤とはならない。ただ、安値(I)12,879円からの戻り値幅は、高値(J)15,207円まで2,338円と前値幅2,600円を上回ることができなかったが、第4波動の高値(F)17,264円からの下げ途中の戻り2,016円(G~H)を上回った。
さらにその後の反落では、下げ幅が1,975円(J~K)と下げ過程における戻り(上げ)値幅2,016円(G~H)の範囲内に収まり、第五波動の安値(I)12,879円を割り込まず切り返し高値(J)15,207円を上回って急伸した。
この急伸により前値幅2,600円に見合う水準15,479円=I+(F-E)をクリアしたあと上げ基調が進展した。
ただ、この段階でも安値(I)12,879円は前波動(やや大きめ)の安値(A)14,485円を下回っていることから、安値(I)を基点とする上げは「戻り相場」となる。
【備考】~NYダウ平均株価について~
【日足参照】 =短期基調の維持が重要=
※チャートを用いた説明は、こちらにて掲載しております。
前回は「下落リズムの逆転形成を待つ経過」として以下のように述べた。
「反動高が直近の値幅1,985ドル(③~④)を上回ると拡大へつながりやすくなる。その場合の値幅は、2,176ドル、2,544ドル、2,756ドル、3,083ドル、3,295ドル、4,034ドルなどが挙げられ、今後に示現される安値に加えて水準を求めることになる。
また、短期波動のリズムの逆転(上げパターン)が生じ、半値戻し水準への回復および維持する経過をたどることで相場の好転へつながる可能性が高まる。」とした。
実際には、安値(F)18,591ドル(3/23)のあと急反発し、3日続伸で高値(G)22,552ドルと急伸し、上げ幅が一気に3,961ドルに達した。その後、安値(H)20,943ドル、下げ幅▲1,609ドルの反落を挟んで切り返し、高値(I)24,242ドル(4/17)に進んだことから、高値(A)29,551ドルから安値(F)18,591ドルまでの下げ▲10,960ドルに対する半値戻り(24,071ドル)を達成した。
また、下高値(G)22,552ドルを上まわったことから安値(F<H)を切り上げる三波動(F~G~H~I?)形成となり、安値(F)18,591ドルから直近高値(I)24,242ドルまでの上げ幅は5,651ドルと拡大した。よって、現在は上値を試す経過となっている。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)24,802ドル=D+6,211ドル・・・月足参照
(2)24,904ドル=H+(G-F)
(3)25,770ドル=G+(G-H)×2
(4)26,208ドル=D+7,617ドル・・・月足参照
(5)26,350ドル=D+7,759ドル・・・月足参照
(6)26,513ドル=G+(G-F)
(7)27,379ドル=G+(G-H)×3
ただ、戻りを試す経過も反動安値幅が重要となる。基調を維持するには直近の下げ幅1,609ドル程度に収まることが大事。上回と値幅の拡大につながりや少なる。
値幅は、1,295ドル、1,609ドル(G~H)、1,681ドル(B~C)、1,985ドル(D~E)などが挙げられる。
【月足参照】 =戻りを試す=
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前回「NYダウ平均株価の下値観測」(記:2020/3/19)として以下の水準を挙げた。
(1)19,069ドル=B-(C-A)
(2)18,410ドル=(1)と(2)の中値
3)17,752ドル=29,551ドル-11,799ドル:安値2,365ドル(90年10月)~高値14,164ドル(07年10月)までの上げ幅
実際には、安値(L)18,591ドル(3/23)までの下げ幅が▲10,960ドルと過去の値幅10,956ドルに支えられた格好となって大幅な反動高が生じた。安値から直近の高値24,242ドルまでほぼ一気に上伸し、上げ幅も5,651ドルとなった。
さらなる上げ幅として、安値(D)18,591ドルから、①6,211ドル、②7,617ドル、③7,759ドルなどが挙げられる。よって、現在は戻りを試す経過となっている。
その場合、上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)24,802㌦=D+6,211㌦:12年12月安値から15年5月高値までの値幅
(2)26,208㌦=D+7,617㌦:07年10月高値から09年3月安値までの値幅
(3)26,350㌦=D+7,759㌦;18年12月安値から20年2月高値までの値幅
【先人からの一言】~相場参入には事前の準備を・・・~
株式投資は銘柄選びが大事なことは言うまでもないことである。
ただ、銘柄選びを材料だけを評価し株価の騰落のみを考え、いかにも理性的に判断したかのように楽観的に市場に参入する行動が多々見受けられる。
思い(期待と予想)に反し下落すると、材料そのものに変化がないことからコスト意識が強まり「株価」のみを考えて難平買い出る。
さらに下落がつづくと難平買いを重ねてしまう傾向がある。
その結果、評価損が膨らみ次第に悲観的になってしまうのが必定であろう。
このように材料とコストに固執してしまう投資家が少なくない。これは、全く相場を考えていない「勘定と感情」の欲望の結末であろう。まさに、「欲望に勝る理性はない」ことを証明する行為と思われる。
株式投資の最大のリスクは、唯一“株価の下落”であると、今さら言うまでもないことである。
よって、市場に参入するからには下落リスクを極力避けるため、相場がどうであるかを事前に調べ、出口ポイント(退散・撤退)をチェックすることが最も重要であり、決して怠ってはいけない行為である。
儲けることより損をしないことを、先ずは考えたいものである。
相場のチェックには「心(欲望を制御)のアクセルとブレーキ」を備えている“チャート”が何よりも冷静で居られる有効なツールであろう。
いくつかのポイントさえ知ってしまえば・・・怖いものはない!といえるようになりたいものである。
相場から逃げるプレイヤーはいるが、相場は決して逃げない。いつもある・・・。
執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業会に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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