株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-06-12 08:00:00

加藤あきらの投資戦略室

米NYダウが▲1861ドル暴落の衝撃、対処法を知っておき暴落はチャンスに変える

【米国市場が暴落した要因】
昨晩の米国市場ではNYダウ(▲6.90%)はじめNASDAQ(▲5.27%)、S&P(▲5.89%)、ラッセル2000(▲7.58%)が軒並み暴落商状となりました。

VIX(恐怖指数)が40ポイント台へと再び急騰し、米10年債利回りも一段の低下で一時0.651%まで低下、原油価格も下落と典型的なリスクオフの形となりました。

急落の下落要因として挙げられているのが、『新型コロナ第2波懸念』、全米各地で黒人暴動デモで密集して再び感染者数が急拡大していることで、日本では東京アラートが解除されたのとは対照的で迷惑な話ですね。

これまでも散々に懸念する声がありながらそれを無視して株価は上昇の一途を辿ってきただけに、今さら感で腑に落ちないところですが、投資家は理不尽な下げにも冷静に対応していくことが必要です。

【暴落時の対応はまず“慌てないこと”、正しい投資判断をすることを心がける】
2月・3月のコロナショックを経験した投資家の方は既知の内容かもしれませんが、最近新たに投資を始められた方にとっては非常に重要なことですので、暴落時の対処法を示したいと思います。

まず、最も重要なことは“狼狽売りは厳禁”であり、持ち株のポジション状況に応じて柔軟な対応をしていく必要があることを知っておきましょう。

自身の証券口座で株式と現金の比率を確認、少なくとも【キャッシュポジションの3割確保】が最優先です。

下値模索の展開となった時にこのキャッシュが押し目買いの源泉となります。
通常の下落であれば持ち株の下落は▲15%以内にある程度収まり、記録的な暴落時でおよそ▲30%が目安となります。

キャッシュ3割があれば押し目買い対応でリバウンド時に下落分の61.8%戻しで損益をゼロに戻すことができるようになります。

あとは銘柄それぞれの対応で、元々の投資予定金額に対して何割を買い付けているかによって初期対応が異なってきます。

そもそも『投資予定金額に対して3分の1程度』であれば、暴落と言っても狼狽売りする必要はありません。
むしろ試し買いのポジションからコストを下げていくチャンスですので、【下値を見定めて投資予定金額の半分、3分の2とポジションを増やしていく】ようにします。

反対に、『投資予定金額に対してフルポジション』の場合、これは含み益になっていることがほとんどだと思いますが、【持ち株の半分程度を利益確定させる】ことが最優先です。

【下落のメドは?下げ止まるのはいつか?】
昨日のコラムでも日本株の急落について書きましたが、時間外の先物では直近の値幅で半値押しの22,000円をあっさりと割り込み、21560円まで下げ幅を拡大させました。

朝方はそこから200円程度反発して始まってきそうで日経CFDは21750円、為替はドル円が一時106円台半ばをつけたものの、現在は106円台後半まで戻してきています。

短期的には下落トレンドに転換していますので、本日は朝方の狼狽売りや追証回避の売りなどで安く始まり、午前10時までをメドに戻りを試す展開になろうかと思われます。
よって、朝方の狼狽売りを堪えて戻り売りの判断を下さなければならないのはそのあたりかと思います。

日銀のETF買いなどを期待してその後も戻り歩調を辿るのか、膨大な売り圧力に押し返されて再び下値模索の展開になるのかは、相場の潮目が変わりやすい「10:30」、「12:30」、「14:00」あたりの時間帯の動きを注視しておくようにします。

もし今回の下げの本質的な理由が『新型コロナ第2波懸念』なのであれば、値幅の調整は短期で終えたことになりますので、その後は悪材料が確認されて不透明感が払しょくされるので来週にはリバウンド相場に移っていくことでしょう。

ただし、この裏で形は違えど世界中で一連の大規模デモがどういった構造で繰り広げられているのか?その犯人捜しに視点が向くようになるとまたしても中国や国際金融資本家などに焦点が集められ、そのまま米中対立の火種がくすぶっているところに火をつけてしまう可能性が出てきます。

そうなると、下値メドは一段安を見ておくべきで、最近の上昇の起点となった21000円付近までを全戻しするところまで想定しておく必要が出てきます。

しかし、そうなった場合においても複合的な悪材料の真相を確認するまで時間はかからないとみており、来週末の米国におけるメジャーSQ「ウィッチング」である程度カタがついてくると考えています。つまり、6/19(金)前後です。

【暴落を利用して安く仕込むチャンス】
上述したことはこれまでのコラム内でも書いてきたことですが、今回は暴落をチャンスに変えるために買い方の基本をおさえておいてほしいと思います。

ある程度キャッシュポジションを確保できたら来週末をメドに仕込んでいく好機ですから、まず週明けの(月)~(水)で『余力の2・3割を投入』、そして(金)に再び『3割を投入』しポジションの半分~3分の2程度を再構築していきます。

あとは下値確認が済んで自律反発の動きを強めてきたら、5日線を超えてくるのを確認してフルポジションに持っていくことが理想的と言えます。

繰り返しますが、今回の短期トレンド転換はコロナ・バブルの第2幕が始まるきっかけで、日本株を安く仕込むチャンスになります。

おそらく『新型コロナ第2波懸念』と結びつけられて『2番底探り』の論調が飛び出してくるでしょうが、最終的には海外勢が今度こそ安値を買い漁ってきた瞬間だったと判る時がくるかと思います。

本日はまず慌てないこと、そしてムキになって意地商いをしないこと、この2つを徹底して来週に向けての準備を整える日として相場を迎えるようにしてください。


【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
(ジョン・テンプルトン)

それでは本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

執筆者:加藤あきら

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