日経平均は6月高値23185.85円をブレイクアウト、TOPIXは1633.40ポイントを抜け切れていませんが、8/4～とお伝えしてきた“ブルトラップ”期間もこれでひとまずの目標は達成したと言えるでしょう。

昨日も書きましたが今晩の米国市場がヤマ場を迎えてきます。
昨晩の米国市場ではハイテク株が一斉高に転じて3指数ともに上昇、ナスダックは2％超の反発でした。

そして肝心のS&P500は今年2月の史上最高値に迫る上昇で、SOX指数も史上最高値を更新と目に見えるリスクオン相場が露わとなりました。

米10年債利回りは一時0.7％に迫る勢いで0.688％まで上昇しましたが、8/4時点の0.505％からは短期間に急上昇したことが分かります。
昨晩の入札に向けて金利を高騰させていったのではないかとの深読みもできますが、真偽のほどは定かではありません。

少なくともこれらによって為替のドル円も107円をつけ、円安に振れたことで日本株の押し上げ要因になったことは明らかでしょう。

では今後について、以前にも書いてますが6月高値である日経23185円を上抜けることはテクニカル上でも天井否定として非常に重要なことでした。

ただおそらくは直近の急反騰ではバリュー株中心ですので、時価総額の大きい銀行株や自動車株が指数を押し上げたことから恩恵をうける個人投資家は少ないかと思います。

あとはこれが2016年秋のリスクオン相場のように売り方の踏み上げを伴ってバブル化への道を突き進んでいくのか、あるいは昨日指摘したアストロジーのアノマリー発動で“ダマシ”となるのか、ここが大きな運命の分かれ道となります。

また、最近になってハイテク株がバリュー株への資金シフトの話題が目につくようになりましたが、相場のサイクル理論では銀行株や鉄鋼株の物色は上昇相場の一番最後になります。

したがって、循環物色が一巡して最初に戻る、つまりハイテク株とりわけ半導体株が再び相場の先導役となるかどうかが重要なポイントになります。

米国ではテスラが株式分割を発表して2ケタの大幅上昇、GAFAも軒並み上昇して昨晩のNYダウはアップルだけで100ドル近く押し上げられました。

日本でこの役割を果たすのは東京エレクトロン（8035）、アドバンテスト（6857）、ソニー（6758）などがお馴染みの面々です。
これらは本日ではなく明日の動きが非常に重要となるでしょう。

他にも市場の関心が高いのは米国の追加経済対策のゆくえですが、どうやらムニューシン氏が民主党の協議に成立困難との見通しを明らかにしたほか、米国家経済会議のカドロー氏までが大規模な追加刺激策は必要ないとの見解を示しました。

これはちょっと見過ごせないニュースです。
米中貿易協議「第1段階」の合意もどうやら中国の輸入拡大条件も順守されていないとの話から8/15の最終協議はこじれる可能性がある中で、市場の期待を下支えする役割として注目されてきた追加経済対策が成立しないことは忌々しき問題であることは容易に想像できるでしょう。

しかし、それでも相場は上を向いて歩こう状態で、ある種ゴールドや債券、仮想通貨市場のようにバブルの甘い匂いに陶酔したくなるような感覚にもなってきます。

元よりこの期間はキャッシュポジション3割確保でやり過ごすつもりで見ておりましたが、ある種の目標は達成しているわけですので、さらにキャッシュポジションを高めて5割に引き上げておくのも手でしょう。

短期トレード的な発想では8/15に焦点を当てて、～8/19もしくは～8/24あたりまでのヘッジポジションとしてベア型ETFの日経ダブルインバース（1357）、ただ直近ではNT倍率が低下してきておりますのでTOPIXベア2倍ETF（1356）などを活用するのも一考でしょう。

ポートフォリオでハイテクおよびグロース中心の銘柄構成なら日経系、バリューや配当狙い中心の銘柄構成ならTOPIX系をヘッジ対象として使い分けるのも戦略かと思われます。

あとはブル相場への備えとしてバンク・オブ・イノベーション（4393）やビザスク（4490）、KLab（3656）、イグニス（3689）などモメンタムの強い銘柄を短期の値幅取りに物色してみるのもよいかもしれないですね。

何やら“夏相場特有のゲーム株祭り”のようになっていますが、これといった銘柄が見つからないという方は非常にもったいないですので、あすなろの単発スポット【ダイヤモンド銘柄】をご利用くださいませ。


≪加藤コラム内でご紹介の銘柄≫
◆日立キャピタル（8586）[その他金融]
5/19ご紹介。金利の上昇を追い風に30％超の上昇に。
個人投資家に人気のオリックス（8591）も出直り。
バリュー株の資金シフトが一巡になるか要注目。

≪あすなろ単発スポット銘柄の動向≫
★裏道王道銘柄DX（****）
満を持しての買い出動フォローから早速10％近くの上昇に。
まずは25日線を意識して利食いもしっかりと行って。
次のエントリータイミングは慎重に。


【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
（ジョン・テンプルトン）

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
日経ダブルインバース（1357）
TOPIXベア2倍ETF（1356）
バンク・オブ・イノベーション（4393）
KLab（3656）
イグニス（3689）

執筆者：加藤あきら