株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-09-07 17:00:00

加藤あきらの投資戦略室

グロース株売り・バリュー株買い、ただし先安観には警戒が必要

この連休中は大型台風10号の警戒で持ち切りでしたが、九州・四国地域の方は無事に難を逃れることができたでしょうか?

昨年の大型台風「15号:令和元年房総半島台風」・「19号:令和元年東日本台風」も激甚災害に指定され、多摩川や千曲川の氾濫・堤防決壊、千葉県では房総半島に甚大な被害をもたらした恐怖が記憶に新しいです。

今年は新型コロナウイルス対策とも重なり、避難所の受け入れなども絞られたりと実際の被害現場はテレビ報道以上に過酷だと思いますので、想像すると非常に心配になります。

中国でも長江が洪水で再氾濫しているとのことで、三峡ダムの堤防決壊も非常に懸念事項であり、改めて自然災害の脅威を再認識させられます。

株式はじめ資本市場でも値動きが激しくなってきており、先週末の米国市場では株式は値戻ししたものの、債券は中国の米国債売り観測が出る中で売られ、原油も需要見通しが弱含む観測から売られて戻ってきていませんので要注意です。

本日は米国が祝日で休場であるために、そもそも大きな動きは出づらいところではありますが、ここで持ち上げられているのは鉄鋼・空運・非鉄・機械・銀行といったバリュー株が中心である点には留意した方がよいでしょう。

特筆すべき値動きを見せているのはファナック(6954)の大幅上昇とソフトバンクG(9984)の大幅下落で、この指数寄与度の大きい2つが相殺し合いました。

その他では東京エレクトロン(8035)、エムスリー(2413)といったグロース代表株が売られたことが何よりも問題で、単にグロース株売りのバリュー株買いとしてみれば妥当ですが、あいにく出来高を伴った下げが確認されます。

つまり、押し目買いを巻き取りながら売り圧力が強まっていることは、普段から市場全体の強弱感をあまり気にせず個別株売買で勝負している方も肌感として気にしておくべきでしょう。

少なくとも先導役の半導体関連、東京エレクトロンが下に方向感を出したことは要警戒シグナルです。目先は市場の重要イベントであるメジャーSQ、さらに政治的な波乱要因も出やすいタイミングに突入してきますので、リスク管理優先の姿勢を強めておいた方がよいでしょう。

さて、前回も取り上げた銘柄アンケート、あすなろ会員様の保有者数ランキングですが、直近のものでは新興株で値動き重視の銘柄を保有されている方が多く見受けられました。

◆すららネット(3998)
オンライン教育で大化けし、株価は年初来安値からまもなくテンバガー達成に手が届くところまで来ている。下落時にもすぐさま押し目買いが入り、物色意欲は依然として高い。
業績面も良好で投資家の成長期待の高さが窺えるが、バリュエーションは高いためにここからは参戦しづらい。米国のナスダック調整にみられるように新興株は押し目待ちが得策、しかし中途半端な位置で落ちてくるナイフを掴みに行くのは自殺行為。

◆チェンジ(3962)
こちらもDX関連の本命候補と目される投資家期待の高いテーマ株、年初来安値からはまもなく8倍に達するほどに大化け。足元で陰線が目立ち始めたが需給面はまだ良好、まさしく「降りたら負け」の動きそのものだが、突然急落して需給悪化する展開には注意しておきたい。仮にロスカット狩りを食らうとも、逆指値の売り注文セットは怠らないようにした方がよさそう。

◆アンジェス(4563)
何気に隠れホルダーが多いバイオ株、6月に相場は天井をつけて2000円台の高値シコリを抱えてしまった以上、調整は少なくとも半年以上かかると想定。最も出来高を作った5月を起点に信用期日を考えると11月頃が目途になるが、その前に市場全体の暴落が訪れた際には追証売り、狼狽売りが嵩みやすいので要注意。そもそもウイルスに対してワクチンの有効性自体に疑問符が付く中、長期保有覚悟で挑む場合には、それを前提にしたポジションに調整しておく必要があるだろう。

◆ソフトバンクG(9984)
超大型自社株買いを信奉する個人投資家は多いが、この連休中に米国株のデリバティブ取引を行い巨額の資金をコールオプションにベットしていたことが伝わり、本日は7%超の大幅安で日経平均の下落を誘引。きわめて政治的な色合いが強い話で、本日は東証1部の売買代金トップだが安易な押し目買いは控えるべきだろう。

◆三菱UFJFG(8306)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)
足元では“スガノミクス”期待で地銀株の再編思惑から銀行株の売買が活況だが、話題先行で現実味に乏しい話。また、メガバンク株は配当利回りが高く、個人投資家に人気だが低金利環境で収益は厳しく、フィンテック競争でも優位性を発揮しきれない状況は変わらない。米長期金利が上昇で思惑が走りやすくなる面もあるが、金利上昇局面では他のセクターに狙いを変え、例えば本日上昇が目立った景気敏感株を手がけた方が良さそう。

中には保有株が20~30種類に膨らんでいる方も散見されますが、分散投資は極力避けた方がよく暴落時には混乱して頭が真っ白になり、結局何も判断が出来ないまま対応が後手に回りがちになります。

資産を増やすフェーズでは基本は集中投資、常に売買対象のエース銘柄は5銘柄程度の片手で数えられる数に絞りましょう。

あとは10銘柄程度なら監視用として少数の株数を保有する分には構わないと思いますが、高値波乱の今は余分なポジションは出来るだけ整理し、不用意にポジションを増やしてしまわないように意識しておくことが大事だと思います。


≪加藤コラム内でご紹介の銘柄≫
◆リアルワールド(3691)[情報・通信]
8/19ご紹介から株価は31%の上昇。
ソフトバンクG(9984)下落で情報・通信セクターに逆風が吹く中で逆行高。
時価総額が小さく値が軽いのが魅力だが、リスク管理は最優先に。

≪あすなろ単発スポット銘柄の動向≫
★買い推奨☆らくらく大儲け銘柄-5倍賞-(****)
市場全体の上昇・下落に微動だにせず、
買い集められてきたアフターコロナ期待株が急動意。
急上昇の背景に大口の影が見え隠れし、思惑的な相場に発展も。

【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
(ジョン・テンプルトン)

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者:加藤あきら

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